[13日 ロイター] - 米インテルは13日、ボブ・スワン最高経営責任者(CEO)に代わり、元最高技術責任者(CTO)で、クラウドコンピューティング会社VMウェアCEOのパット・ゲルシンガー氏が来月15日に新CEOに就任すると発表した。新CEOの下で、半導体の製造を巡る課題克服を目指す。
インテルは半導体製造技術において長年、世界をリードしてきたが、ここ数年は台湾や韓国のライバル企業に対する優位性を失っている。
ゲルシンガー氏はインテルで18歳からキャリアを開始し、同社に30年在籍していた。アナリストは最も信頼できるCEO候補の1人だと評価している。
バーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は「信頼性の観点からすると、彼はおそらく、ほとんどの人が望む候補のリストのトップに挙げられるだろう」と述べた。
発表を受け、インテル株価は13日の取引で7%上昇した。
ゲルシンガー氏はインテルで数多くの半導体関連プロジェクトを主導し、同社初の最高技術責任者(CTO)を務めた。
同氏はインテルの従業員に宛てた書簡で、今回の人事について、「故郷」に帰るようだとし、当時のトップらの名前を挙げてインテルでキャリアを積んだ経験を振り返り、「光栄に思う」と述べた。
また「世界のデジタルインフラを構築してきた同社の豊かな歴史と強力な技術を高く評価している」と語った。
アナリストはインテルが生産の課題に対処するため、他の同業大手と提携するとみている。
投資調査会社エバーコアISIのアナリスト、C.J. Muse氏は、経験豊富なゲルシンガー氏のCEO就任に加え、米議会で最近、先進的な国内半導体製造の維持を目的とした法案が通過したことを踏まえ、「(インテルが)成功する確率が大幅に高まっている」と指摘した。
インテルは2020年第4・四半期の業績について自社予想を上回るとの見通しを示した。また、回路線幅7ナノ(ナノは10億分の1)メートルの半導体製造技術を巡る問題について「大きな進展」があったと明らかにした。
スワン氏は2018年6月に暫定CEOに就任。その後19年初めに正式なCEOに指名されていた。
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