[ロンドン 8日 ロイター] - 英財政研究所(IFS)の年次報告によると、英国が欧州連合(EU)と合意ないまま離脱した場合、政府の借り入れは、約1000億ポンド(1230億ドル)と、現在想定されている水準の倍に膨れ上がる見通し。
国境で物流がそれほど大きく混乱することがない「比較的影響が小さい」合意なき離脱というシナリオで、IFSは2021/22年度までに政府借り入れは920億ポンドに達すると見込んでいる。
ただ、そのシナリオ下でも英経済の景気後退(リセッション)入りは免れないとIFSは予想している。
政府が景気対策として20年度と21年度に約230億ポンドの財政出動を行った場合、年間借り入れは1020億ポンドに達する見通し。
IFSのカール・エマーソン副所長は、「合意なき離脱となれば短期的には財政出動が必要となり、その後すぐに緊縮財政に戻る」との見方を示した。
長期的にみると、合意なき離脱により公共部門の歳出は縮小し、税率は上昇するとIFSは説明した。