[オタワ 7日 ロイター] - カナダ最大野党、保守党のアンドルー・シーア党首は7日行われた討論会で、与党・自由党を率いるトルドー首相を「ペテン師」などと激しく攻撃し、21日の総選挙で勝利して政権を維持するべきではないと訴えた。
トルドー氏は教師時代に余興で複数回、顔を黒や茶色に塗る化粧を施していたことが発覚。人種差別的行為だと非難され、繰り返し陳謝する事態になった。
シーア氏は、トルドー氏が当初、こうした化粧を何回やったか明らかにしなかった点を指摘し、「彼は過去に何度あんな化粧をしたかさえ思い出すことができない。なぜならいつも仮面をかぶっているからだ。トルドーさん、あなたはペテン師、詐欺師でこの国を統治するのにふさわしくない」と語った。
またシーア氏は、議会の倫理委員会がトルドー氏や側近が建設会社の贈賄事件について訴追を免れるよう「手心」を加えたと認定したことなども改めて持ち出し、トルドー氏に厳しく詰め寄った。
他の出席者同士が議論に時間を費やすなどし、なかなか発言する機会がなかったトルドー氏だが、シーア氏が富裕層向けの税負担軽減を狙っていると反撃。「あなたはなぜ富豪たちに5万カナダドルの減税をするのか答えていない」と主張した。
今回は一連の討論会中で唯一、国民の3分の2が使う英語で行われた。こうした性格から、伝統的に有権者獲得の重要な手段とみなされている。
7日公表された最新の世論調査によると、自由党の支持率は34.3%と保守党の33.4%をわずかに上回った。9月18日にトルドー氏のスキャンダルが判明した直後に実施した調査では保守党の支持率が優勢だったが、2日のフランス語による討論会でシーア氏が精彩を欠いたことから、トルドー氏陣営が盛り返している。
10日には再びフランス語で討論会が開かれる予定だ。