[ニューヨーク 19日 ロイター] - 米金融大手ゴールドマン・サックス (N:GS)のロイド・ブランクファイン前最高経営責任者(CEO)は19日、来年の大統領選で民主党候補指名を目指すエリザベス・ウォーレン上院議員がブランクファイン氏などの富豪を名指しで批判したことについて、「米国の政治プロセス」が懸念されると反論した。
ウォーレン氏は5000万ドルを超える富裕層の資産に2%課税する措置を提案。動画広告でブランクファイン氏を「金融危機の最中に7000万ドルを稼いだ」人物としてやり玉に挙げた。
ブランクファイン氏はCNBCとのインタビューで「ウォール街が批判されることには慣れている。だが、特定の個人を標的にするのは、本当に良いことなのだろうか」と発言。
同氏は先週、ツイッターに「人をあるグループの一員として中傷するのは、彼女の選挙運動には好都合かもしれないが、我が国のためには良くない。多分、彼女のDNAには部族主義が埋め込まれている」と投稿した。
これについて「ウォーレン氏が祖先に先住民がいたと主張していることへの当てこすりなのか」との質問には、詳述を避けた。
ウォーレン陣営のコメントはとれていない。
ブランクファイン氏は、一般の有権者が富裕税の導入を支持していることは理解しているとしながらも、この政策は「全く機能しない」と主張。個人の資産の価値を毎年調査する必要が生じるからだと説明した。
CEOの報酬は高すぎるかとの質問には、自分の報酬について「誰も謝罪すべきではない」と答えた。
ブランクファイン氏は民主党員で、以前はヒラリー・クリントン氏を支持していた。今回の大統領選でどの候補を支持するかは明らかにしなかった。
米中貿易交渉については、トランプ大統領を支持すると発言。「(トランプ氏は)中国をどのようにして国際的な行動基準に従わせるかという問題に取り組んでいる」とし、米国に望ましい結果を出す上で関税は有効かもしれないと指摘した。
ブランクファイン氏は、ゴールドマンのデービッド・ソロモン現CEOが収入の拡大に努力していると評価する姿勢も示した。