[ロンドン 25日 ロイター] - 元英首相のトニー・ブレア氏は25日、英国は混乱状態にあるとし、自身が属する労働党も、ジョンソン首相率いる保守党も12月12日の総選挙で勝利するに値しないと指摘した。
ブレア氏は、ロイターのイベント「ニュースメーカー」で登壇し「われわれは混乱状態にある」と述べ「これまで世界経済の好調に支えられてきたが、世界経済が失速すれば深刻な状態に陥る」と指摘した。
これまでに繰り返し英国の欧州連合(EU)離脱の撤回を訴え続けてきたブレア氏は、講演で、離脱の是非を問う国民投票の再実施を主張し、国民投票後に総選挙を実施する必要があると述べた。
当初の予定から3年前倒しで実施されることになった12月の総選挙は、2度目の国民投票を提案する左寄りの労働党政権か、来年1月末までの離脱を目指す自由市場主義の保守党政権かの選択となる。
労働党でありながら、財界寄りの政権運営をしたブレア氏は、現党首のコービン氏が革命を約束しているとしたうえで「改革というのは、どのように始め、どのように終わらせるのか、まったく分からないのが問題だ」と指摘。
「実際のところ、国民は、主要2政党のどちらかが今回の選挙で完全勝利するに値するとは考えていない」と述べた。
また、米国と貿易協定について、世界的に広がる保護主義ムードで貿易協定の交渉が一段と困難になっており、米英が合意することは非常に難しいとの見方を示した。