[イスタンブール 2日 ロイター] - トルコ統計庁が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比0.9%増と、ロイターがまとめた市場予想(1.0%増)とほぼ一致した。前年の通貨リラ急落に伴う景気後退の影響を克服し、4期ぶりにプラス成長に転換した。
前期比(季節・日数調整後ベース)では0.4%増と、3期連続のプラスとなった。
第3・四半期は、農業の生産が3.8%増加したほか、工業部門が1.6%、サービス部門も0.6%それぞれ拡大しGDPを押し上げた。建設部門は7.8%のマイナスだった。
リラ
景気回復とともにインフレも鈍化。中銀の利下げのおかげで、融資の伸びも加速している。
また第2・四半期GDPは前年比1.6%減に改定された。
トルコ中銀は経済の支援に向けて7月から積極的な金融緩和を継続、10月下旬も予想以上の大幅な利下げで政策金利を14%とした。その後、ウイサル総裁は、数カ月にわたる大幅な利下げで、利下げ余地は狭まったという認識を示している。[nL3N27G4W2]
トルコ政府は、今年の経済成長率予想を大幅に引き下げ0.5%とした。来年は5%を見込む。
同国のアルバイラク財務相はツイッターに投稿し、第4・四半期の先行指標は経済成長の勢いが増し続けていることを示していると述べた。
しかし、政府目標の達成は難しい可能性があるとエコノミストは指摘している。
ラボバンクの新興国市場担当の為替ストラテジストは「家計や企業に依然としてあまり信頼感がないことが最も気がかりだ」と述べた。
IHSマークイットとイスタンブール商工会議所が2日に発表した11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.5となり、10月の49.0から若干上昇したものの、好不況の分かれ目となる50を下回った。[nL4N28C1MD]
また、同日発表の貿易統計によると、11月の輸出は前年比でほぼ横ばいだった一方、輸入は9.2%増加し、貿易赤字は21億5000万ドルと前年同月の3倍以上に膨らんだ。
*内容を追加しました。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20191202T082900+0000