[ベルリン 23日 ロイター] - ロシア産天然ガスをドイツへ直送する海底パイプライン「ノルドストリーム2」の敷設事業について、メルケル独首相の与党・キリスト教民主同盟(CDU)議員は23日、米国の制裁で完工が数カ月遅れ、事業費が増加することになると述べた。
米国では20日、ノルドストリーム2事業に参画する企業に制裁を科す法案がトランプ大統領の署名を経て成立した。
米国はかねてより、自国の液化天然ガス(LNG)の欧州向け輸出を拡大したいと考えており、ノルドストリーム2は欧州がロシアからのガス供給に過度に依存することになると主張していた。
米国での制裁成立後、同事業参画企業グループは、早期に工事終了を目指すと表明した。
CDUのペーター・ベイヤー議員は独公共ラジオの番組で「制裁はノルドストリーム2パイプラインの完成を一時的に遅らせるだろう」としたうえで「来年後半に完成すると信じている」と語った。
ノルドストリーム2は2020年上半期の操業開始が見込まれていた。ベイヤー氏は「代替策はあるが、それは遅れとともにコストの上昇も伴う」と述べた。
メルケル首相は米による制裁を非難したが、対抗措置は講じない方針。
ロシアのラブロフ外相は22日、米の制裁にもかかわらずノルドストリーム2は稼働すると述べ、ロシアとして対抗する姿勢を示した。