[マドリード 5日 ロイター] - スペイン下院(定数350)で5日、再任を目指すサンチェス暫定首相に対する信任投票が行われ、賛成は166と、首相指名に必要な過半数176に満たなかった。2日後の7日に再投票が行われる。
サンチェス氏率いる社会労働党(PSOE)は昨年4月に続き11月に行われたやり直し総選挙で、第1党を維持したものの、議席を減らし、過半数にはさらに遠い状況となった。この結果、政治停滞が長期化した。
信任投票の結果は賛成166、反対165、棄権18だった。1人の議員が欠席した。
7日の再投票では賛成が反対を上回れば可決となる。スペイン北東部カタルーニャ州の独立を掲げる政党カタルーニャ共和主義左派(ERC)の議員13人は棄権することで合意しているため、可決の可能性は高い。
サンチェス氏と急進左派ポデモスのパブロ・イグレシアス党首は週初めに連立政権を樹立する意向を再び表明。ただ両党を合わせた議席数は155で、過半数に届いていないため、小規模地域政党の投票行動に結果が左右されることになる。
この日の初回投票では小規模地域政党「カナリア連合」が棄権することで合意していたにもかかわらず、一人の議員が反対票を投じており、7日もわずかな差で可決か否決になる可能性が高い。
サンチェス氏は5日午前の討論会で社会労働党とポデモスによる連立政権は進歩的なアプローチを取ると表明した。
サンチェス、イグレシアス両氏はこれまで、高所得層や企業に対する増税のほか、ラホイ前政権が進めた労働改革の一部撤回を打ち出している。