[ドバイ/バグダッド 7日 ロイター] - 米軍の空爆によって殺害されたイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の葬儀が7日、同氏の故郷である同国南東部ケルマンで行なわれ、司令官の死を悼む数万人が道路を埋め尽くした。映像によると、人々は「アメリカに死を」と叫び、軍や政府の高官からは米国への報復を誓う発言が相次いだ。
葬儀では混雑から人々が将棋倒しとなり、国営テレビは少なくとも56人が死亡したと伝えたほか、ファルス通信は救急当局の情報として210人以上が負傷したと報じた。この事故で、同司令官の埋葬は当初の予定より数時間遅れで行われた。
過激派組織イスラム国「IS」掃討に尽力してきたソレイマニ司令官は、宗教指導者を支援しない人々の間でも英雄視されていたとされる。同司令官は3日未明、イラクの首都バグダッドの空港で米軍に殺害された。
イラン革命防衛隊のサラミ司令官は7日、司令官の葬儀に集まった人々に対し、「必ず復讐する」と強調。ザリフ外相は7日、米軍によるソレイマニ司令官殺害は国家テロに当たると非難した上で、イランは相応の対応を取ると表明した。
また、イランのファルス通信によると、同国の最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長は7日、ソレイマニ司令官殺害に対する報復措置について、米国を攻撃する13の「報復シナリオ」を検討していると述べた。
一方、米国のエスパー国防長官は7日、CNNに対し、「われわれはイランと戦争を始めようとしていないが、戦いを終える用意はできている。状況の鎮静化を望む」と述べた。
トランプ大統領は週末、イランが司令官殺害の報復として米国人や米国の施設を攻撃した場合、イランの文化遺産を含む52の施設を「非常に激しく」攻撃すると表明していた。
だが大統領は7日、記者団に対し、文化遺産を軍事行動の標的とすることを禁じる国際法に従う考えを示した。