[東京 10日 ロイター] - 菅義偉官房長官は10日、閣議後の会見で、愛知県に続き京都府も緊急事態宣言の対象への追加を要請したことについて、現時点でこうした地域を対象に含めるに至ったとは聞いていないと述べた。各地域での感染状況などを踏まえ、専門家の意見を聞いた上で慎重に判断するとの考えを示した。
緊急事態宣言を出した後、休業要請を巡り政府と東京都との考え方の違いが浮き彫りになっている。緊急事態宣言の前に調整を行うべきだったとの批判に対して菅長官は「対象地域とは、特別措置法に基づく措置について、地域の実情を踏まえて基本的対処方針に沿って行われるよう、調整を速やかに進めてきた」と強調。東京都についても「きのう、西村経済財政担当相と小池東京都知事の会談で、対象業種について考え方を整理することができた」との認識を示した。
ただ、政府が外出自粛要請だけでなく積極的な休業要請をするべきでなかったかとの見方については「まずは外出自粛要請により、人と人の接触を減らすことに取り組んでる最中だ」と指摘。その効果は時間をおいてみないとわからないとし、足元の感染者増加だけでは判断できないとの認識を示した。
地域独自の緊急事態宣言が相次いでいることについては「北海道での独自宣言が専門家から評価されていることも事実。地域がさまざまな考えを配信することは妥当だ」と評価した。
(中川泉 編集:田中志保)