[ロンドン 13日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は13日に公表した月報で、新型コロナウイルス流行の影響を受け、2020年の世界の原油需要見通しを再び引き下げた。ただOPEC加盟国とロシアなど非加盟産油国から成る「OPECプラス」が実施する過去最大規模の協調減産で、原油市場は均衡を取り戻しつつあるとも指摘した。
今年の原油需要見通しについては、前年比9.1%減に当たる平均日量907万バレル(bpd)減少とし、前月の685万bpd減から拡大した。
原油相場は20年に急落。原油価格の国際的な指標であるブレント原油相場は4月22日に21年ぶりの安値となる1バレル15.98ドルを付けた。
相場下支えに向けOPECプラスは過去最大規模の協調減産で合意し、今月1日から開始。米国やその他の国も減産の意向を表明していた。
月報では「世界の原油市場は均衡が大きく崩れていたが、供給面の素早い対策によってすでに良い方向に動いている。再均衡化は向こう数四半期で加速するとみられる」と述べた。
原油相場は4月の最安値から持ち直している。月報発表後は約30ドルで取引された。
OPECは第2・四半期に需要が最も減るとみており、需要見通しを540万bpd引き下げた。米国と欧州、韓国の消費に引き続き下振れリスクがあるとした。
また、今年の世界経済見通しも引き下げた。新型ウイルスの危機により「世界経済が景気後退に陥ったほか、原油市場でかつてないほど深刻な需要ショックが起きた」とし、世界の成長率が3.4%減となると試算した。
OPECプラスは、5月1日より5月と6月に生産を970万bpd減らすことで合意している。
報告書によると、3月6日にOPECプラスの協調減産協議が決裂したことを反映し、OPECの4月産油量は増加。サウジアラビアとアラブ首長国連邦、クウェートが増産したことでOPECの4月産油量は180万bpd増の3041万bpdになった。
サウジアラビアはOPECに対し、4月産油量が過去最大の1200万bdpとなったと報告した。