[シンガポール 19日 ロイター] - シンガポール政府は19日、新型コロナウイルスを受けた封鎖措置を6月2日から緩和すると発表した。経済活動の4分の3が正常化するという。ただ、緩和に伴い感染件数は増える可能性が高いとの見方を示した。
製造業や金融、保険、卸売など感染リスクが低い産業が事業を再開できる。
チャン・チュンシン貿易産業相は記者会見で、3分の1の労働人口が職場復帰し、残りは在宅で勤務すると述べた。
新型ウイルスの感染拡大を抑えるためのいわゆる「サーキットブレーカー」は6月1日に終了する。この日発表した計画は緩和措置の第1・段階となる。
ガン・キムヨン保健相は「多くの国が封鎖措置を緩和して以降、第2波を経験している。このリスクを抑えるために段階的に措置を緩和する」と述べた。「経済活動を徐々に再開するにつれ、日々の新規感染件数は増える見込みだ」とも話した。
学校も6月から再開する。
シンガポールの19日の新規感染件数は451件。累計で2万8794件に上った。出稼ぎ労働者の混み合った宿舎での感染拡大が主な要因。宿舎以外の感染拡大は抑えられている。
集会や社交行事など、多くの制限は維持する。当局は後日、第2・段階の内容を決める。レストランでの食事や小売店の営業再開などを含む可能性がある。
政府は、大半の経済活動を再開できる「新常態」を目指し、段階的に封鎖措置を緩和する意向だが、有効なワクチンが開発されるまでは限定的な経済活動となる。
財務相は来週、6月2日に事業を再開できない企業に対する追加支援策を発表する。