[ワシントン 25日 ロイター] - 米連邦最高裁は25日、難民申請者を、限られた司法審査で直ちに強制送還するのは違憲ではないとの判断を示した。移民対策を優先課題に掲げているトランプ大統領が勝訴した格好だ。
訴訟では、スリランカの農業従事者が難民申請への政府の対応について司法審査を受ける権利があると訴えていた。
判決文は、今回の即時強制送還で司法審査を限定的なものにとどめたことは違憲ではないとしている。
判断は7対2だった。リベラル派判事4人のうち2人は原告の訴えは無効だとしたものの、判決文の論理はおおむね支持できるものではないと主張。別の2人は判決に反対した。
判決文を書いた保守派判事は、合法的に入国していない人は憲法で保障された権利を完全には享受できず、どのような権利を保有できるかは議会に決定権があると主張。
判決に反対したリベラル派判事は、今回の判決が強制送還に直面している移民に大きな影響を及ぼすと主張。トランプ政権に歯止めの利かない権限を与え、移民当局が恣意的で違法な決定を下す可能性が高まると指摘している。