[メキシコ市 10日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は10日、ツイッターで、今期限りで退任する考えを表明した。任期満了となる2021年6月まで職務を続ける意向だという。この動きは明らかに世界貿易機構(WTO)事務局長選で、メキシコ出身候補者の当選の可能性を上げるためのものとみられている。
グリア氏の発言を受け、メキシコ外務省は、同国が多国間主義の擁護を政策の優先課題として取り組む方針を強調した。
外務省報道官は「グリア氏はOECDの次期選挙に出馬しないと明言した。しかし、メキシコとしてはWTOにヘスス・セアデ氏を推す」と断言。報道官は「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の交渉を成功に導いたセアデ氏は、WTOが現在そして将来にわたる諸課題を前進させるために必要な経歴を備えた人物だ」と主張した。
WTO事務局長は、8人の候補者が争う。歴代6人の事務局長のうち、3人が欧州出身、残り3人はタイ、ブラジル、ニュージーランド出身であることから、次期事務局長はアフリカから選出すべきだとの圧力が高まっている。