[ジュネーブ 13日 ロイター] - 言論と表現の自由に関するデービッド・ケイ国連特別報告者は13日、米ホワイトハウスによるメディアへの「猛攻撃」を批判し、世界の報道の自由に対するマイナスの「トランプ効果」が及んでいるとの認識を示した。
月末に6年の任期満了を迎えるケイ氏は最後となる記者会見で、トランプ大統領の退任後、米ジャーナリストへの「攻撃」が終わることを望むとし、「この特定の大統領によるメディアへの対応が過去4年間における主要課題だったことは明白だ。メディアを中傷し、表現の自由を傷つけた」と語った。
記者批判や虚偽情報の拡散、保守派メディア機関との連携などがメディアへの猛攻撃に当たると述べた。
世界の報道の自由への影響については「明らかにトランプ効果が発生しており、非常にマイナスの効果だ」と強調。過去の米政権は報道機関への攻撃に対しより否定的だったとし、サウジアラビア人記者のジャマル・カショギ氏殺害事件に言及し、トランプ政権が世界的な「放任主義」を生み出したとの認識を示した。
ホワイトハウスのディア報道官はロイターに対し「トランプ政権ほど透明性の高い政権はかつて存在しなかった。全てのニュースが公正かつ正確であることに期待を寄せる」とした上で、「トランプ大統領はうそに屈することはない」との声明を発表した。
ケイ氏はまた、中国の「表現の自由に対する極めて抑圧的なアプローチ」を批判。さらに、国名は明確にしなかったものの、「虚偽情報の抑制を口実に情報の自由な流れを弾圧する」政府の対応は新型コロナウイルス感染を巡る状況の悪化につながったとし、懸念を表明した。