[シドニー 7日 ロイター] - オーストラリア政府は今年度(2020年7月から21年6月まで)に2400億豪ドル(1704億米ドル)相当の国債を発行する。新型コロナウイルス流行で打撃を受けた経済を押し上げるために歳出を大幅に拡大するものの、従来の規模から変更しなかった。
オーストラリア財務管理局(AOFM)は7日、今年暦年には残る週の大半で週次国債入札の規模が30億─40億豪ドルになると明らかにした。現在は40億─50億豪ドル。
また、2400億豪ドルのうち1170億豪ドルは既に実施されたと付け加えた。
RBCの金利ストラテジスト、ロバート・トンプソン氏は「発行計画の無修正および今年暦年の新たな債券なしはイールドカーブのフラット化とスプレッドのタイト化を意味する」と述べた。
6日には今年度の財政赤字が予想を上回る2137億豪ドルになるとの見通しが発表されていた。
AOFMは現在、豪中銀に1000億豪ドル超の預金を保有。中銀は3月半ば以降、借り入れコストを低水準で維持するのを支援するため、流通市場で3年物国債を買い入れている。
前出のトンプソン氏は「超大型のバッファーによりAOFMは発行拡大を留保することができたようだ」と付け加えた。また、「債券発行の必要性を予想する上でAOFMが7月に財務省よりもはるかに保守的な姿勢を取っていたとのわれわれの疑念も強まっている」とした。
7日の3年物国債利回り (AU3YT=RR)は前営業日に続き低下し、0.145%。豪中銀のキャッシュレート目標0.25%を大きく下回っている。
10年物国債利回り (AU10YT=RR)は0.8%に低下。長期金利がしばらく低水準にとどまるとの見通しを受けた。