[クアラルンプール 13日 ロイター] - マレーシアのアンワル元副首相は13日、国王と面会し、下院(定数222)議員のうち120人からの支持を得たことを示す文書を提出したことを明らかにした。
マレーシアの野党を率いるアンワル氏は、自らが議会の「信任」を得たとしてムヒディン首相の辞任を求め、新政権の樹立を目指している。今後の政局混迷打開に向け、国王の判断が焦点となる。
アンワル氏は記者団に対し「国王が事態を吟味し、憲法の精神に基づいて決断する時間を認めるよう、国民に求める」と述べた。その上で、「われわれはムヒディン首相が過半数の支持を失ったことを思い出さなければならない。首相が辞任するのが適切だ」と述べた。
マレーシア国王は通常、儀礼的な役割のみを担っているが、議会過半数の支持を得られると考える人物を首相に任命する権限を持つほか、国政選挙にも一定の関与を行う場合がある。
国王がアンワル氏の主張を認めなかった場合はムヒディン首相の続投を認めるとみられる。また首相の助言により総選挙に踏み切る権限も有している。
王宮によると、アンワル氏は国王に対し支持を表明した個別の議員名は開示しなかったという。王宮は国王とアンワル氏との会談後に声明を発表し「アンワル氏は、支持を表明した下院議員の数は示したが、その主張を裏付ける議員名簿は提出しなかった」とした。
国王はアンワル氏に対し、憲法に基づいた法的手続きを尊重し、従うよう伝えたという。
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