[東京 4日 ロイター] - 財務省幹部は4日、新型コロナ対策に伴う累次の補正予算編成で膨らんだ国債発行総額について「全体として減額できるフェーズになれば短期債を減少させることで借換債を抑制する」との認識を示した。同日開いた国の債務管理のあり方懇談会後、記者団に語った。
借換債は国債を借り換えるために発行する債券で、2020年度当初ベースの国債発行総額153兆4621億円のうち、借換債が7割を占めた。
21年度予算要求では国債整理基金の歳入として借換債140兆9483億円を計上。コロナ対策で増発した短期債償還で、借換債発行額としては過去最大の見込み額となっており、懇談では「中長期的な調達コストを抑制していくには発行全体を抑えていく必要がある」との認識も重ねて共有した。
一方、今回の会合を欠席した農林中央金庫の新分敬人代表理事専務は、資金の使い道を環境事業に絞った環境債(グリーンボンド)の発行について「日本でも検討余地がある」ことなどを明記した田中直毅座長宛ての意見書を提出した。
(山口貴也) OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20201104T085555+0000