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英首相「合意なしの可能性大きい」、EUとの通商協議で

発行済 2020-12-10 18:12
更新済 2020-12-11 05:45
© Reuters. 英EU通商協議、なお隔たり大きい=英外相

[ロンドン/ブリュッセル 10日 ロイター] - 英国のジョンソン首相は10日、欧州連合(EU)との通商交渉で合意できない可能性が大きいとの考えを示した。ただ、交渉をまとめるためにどこにでも出向くとも述べた。

ジョンソン氏は記者団に、合意を望んでいるが、包括的な通商協定なしに12月31日に移行期間を終了する可能性があると指摘。「われわれは(合意できない)可能性が高いことを非常に明確にする必要がある。英国はEUとカナダとの関係ではなく、EUとオーストラリアの関係のようになる可能性が高い」とした。

オーストラリアはカナダとは異なり、EUと包括的な通商協定を締結しておらず、貿易の大半が関税の対象となっている。ジョンソン氏は「オーストラリア版という選択肢に備えて今は誰もが準備をしておくことが肝要だ」とした。

この発言を受け、ポンドは対ドル で1.33ドル付近から1.3262ドルに下落。足元では約0.9%安の1.3274ドルで推移している。

これに先立ち、ラーブ外相はEUとの通商交渉について、週末までに行き詰まりを打開するためにはEU側が大幅な譲歩をしなければならないとの認識を示した。

ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長は9日、双方には依然として「極めて大きな溝」があるとの認識で一致。「確固とした決定」を13日まで持ち越すことで合意した。

ラーブ外相はBBCテレビに「協議を継続する余地が残されていることは確かだが、依然として隔たりは大きい」と発言。「13日に状況を判断して、将来の交渉について決める必要がある」と述べた。

主な争点となっている漁業権と公平な競争環境は英国にとって原則的な問題と指摘し、交渉を継続するにはこの2つの問題で「実質的な動き」が必要との見解を示した。

ただ公平な競争環境に関してEUは立場を「硬化」させたと語った。

同相はスカイ・ニュースに「13日が重要な瞬間になると思う。こうした交渉では、どのような可能性も否定できない。ただ、ある程度の決着が必要になると考えている」と述べた。

*内容を追加しました。

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