[ワシントン 16日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、中国との第1段階通商合意について、バイデン次期米大統領は引き続き履行するよう中国に圧力をかけるべきだ、との考えを示した。15日遅くに行われたロイターとのインタビューで述べた。
ライトハイザー氏は、第1段階通商合意についてバイデン氏はどう対応すべきかと質問されると、履行するよう圧力をかけるべきだと述べた。
その上で、第1段階通商合意の履行状況は、良好な分野とそうでない分野があると説明した。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、中国の米製品輸入は同国が確約した水準を大きく下回っていると指摘した。
ワシントンに本拠を置くピーターソン国際経済研究所によると、10月時点で、第1段階合意に明記されている米製品・サービスの中国による購入は、年間ベースで約束された規模の半分程度だった。
ライトハイザー氏は「特定問題を解決するには、私なら紛争解決プロセスを利用する。関税ももちろん維持する」と述べ、対中関税を緩和すれば、米国が中国を戦略的敵対国として扱うことに真剣でないことを示すと指摘した。
バイデン氏は今年8月、トランプ大統領の対中貿易政策を批判し、第1段階合意は失敗に終わりつつあると述べていた。
ただ、12月のニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューでは、第1段階通商合意の変更に直ちに動くことはなく、中国製品に対する制裁関税に関しても撤廃する措置をすぐに取るつもりもないと述べた。
*インタビューの内容を追加しました