[ワシントン 18日 ロイター] - バイデン米政権は早ければ19日にも、ロシア産天然ガスをドイツへ直送する海底パイプライン「ノルドストリーム2」の建設作業に関わっているとみられる企業のリストを公表する見通しだが、当該企業への制裁発動には時間を要する可能性がある。議会や業界の関係者らが明らかにした。
1月1日に発効した制裁法により、バイデン政権はリストに挙げた企業に制裁を科すことが義務付けられている。しかし、関係者によると、バイデン氏は同盟国との協議期間を活用して、制裁を先延ばしにする可能性があるという。
ある上院議員の側近は「議会や同盟国との協議期間を活用し、強力な制裁を遅らせるという大きな懸念がある」と述べた。
ホワイトハウスのサキ報道官は、同パイプラインについて、バイデン大統領は欧州のためにならないと考えていると述べており、多くの米議員も制裁を推進している。しかし、バイデン氏は、脱原発や石炭火力からの脱却を目指すドイツからパイプラインの建設を認めるよう求める圧力にも直面している。
ロシア国営ガスプロムによると、同パイプラインは90%以上完成している。
ホワイトハウスからのコメントは現時点で得られていない。
ノルドストリーム2はウクライナを迂回し、バルト海経由でドイツにロシア産ガスを輸送する。ロシアの影響力拡大で打撃を受けるウクライナは巨額の通過料を失い、一層厳しい状況に陥る可能性がある。