[ジャカルタ 18日 ロイター] - インドネシア中央銀行は18日、主要政策金利の7日物リバースレポ金利を史上最低水準の3.50%で据え置いた。新型コロナウイルス対策としてこれまで数度の利下げを行ってきたが、資本流出に伴う通貨ルピア安に配慮した格好。
ロイター調査では、アナリスト28人全員が据え置きを予想していた。同中銀は2月に7日物リバースレポ金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、3.50%としていた。
翌日物預金ファシリティー金利(FASBI)は2.75%、貸出ファシリティー金利は4.25%に据え置いた。
ルピアは2月に3%以上下落。米金利の上昇を受けて新興国資産から逃避する動きが見られた。
ペリー・ワルジヨ総裁はオンラインで行われた会見で「金利決定は、国際金融市場で不確実性が高まる中、ルピアの安定を維持する必要性に沿ったものだ」と述べた。
また、景気は回復を続けているとし、中銀は昨年「積極的な」金融緩和を行い、新型コロナウイルス感染拡大以降の利下げ幅は合計150ベーシスポイントに及んだ点を指摘した。
さらに、スポット外為市場や国内ノン・デリバラブル・フォワード(NDF)、および債券市場への「トリプル介入」を始め、中銀が通貨の安定に向けた取り組みを強化する方針を表明した。
総裁はルピア安について「比較的制御されている」と発言。インドネシア国債利回りの上昇については「適正範囲内だ」との見方を示した。米連邦準備理事会(FRB)の「ハト派的なシグナル」が市場を落ち着かせる要因になるとの見通しも示した。
一方、アナリストは、国際金融市場の変動率の高さや、同中銀がこれまでに金融緩和を行ってきた点からみて、一段の緩和余地は限定的だとの見方。
OCBCのエコノミスト、ウェリアン・ウィラント氏は、「中銀がさらに苦境から抜け出す策を見つけるのは極めて困難になってきている感がある」と指摘した。
中銀は今年の経済成長率を4.3-5.3%と予測。昨年は2.07%のマイナス成長だった。
一方、インドネシアのスリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相は別の会見で、「テーパータントラム」(緩和縮小をめぐる市場の混乱)が起きた2013年のような事態を回避するため、「警戒」していくと発言。
世界の政策当局に対し「市場への影響を最小限に抑えるため」政策調整について明確なガイダンスを示すよう求めた。同相は「市場は時に過剰に反応したり、特に新興国・途上国に不要なダメージを与えることがある」と述べた。
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