[カブール/国連 19日 ロイター] - アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権は19日、米国人技師を解放したと発表した。
ムッタキ外相によると、解放されたのは米国人技師マーク・フレリクス氏で、米国が麻薬取引関与で2005年から拘束していた、タリバンと関係がある部族指導者と引き換える形で行われた。引き換えはアフガンニスタンの首都カブールの空港で行われた。
フレリクス氏はアフガニスタンで10年にわたり開発プロジェクトに携わり、20年2月に拘束された。
バイデン米大統領は声明で、フレリクス氏の解放を確保したと表明。解放の交渉に「困難な決断」が必要だったとした。
その上で、フレリクス氏の安全な帰国と社会復帰の支援が優先事項となるとの考えを示した。これに先立ち、政権当局者はバイデン氏がフレリクス氏の家族と電話で話したと明らかにしていた。
政権高官によると、解放後、フレリクス氏の健康状態は安定しているもよう。
ブリンケン国務長官は国連で行われたイベントで、フレリクス氏の解放を支援したカタールに謝意を表明した。
また米当局者は、フレリクス氏の解放はタリバンが主導する政府の正当性に関する見解に影響を与えると述べていた。タリバン暫定政権は女子の大半の中等学校での教育が制限されていることなどを理由に国際的に正式に承認されていない。