[エルサレム 22日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相は22日、アリエ・デリ内相兼保健相を罷免した。デリ氏が昨年、司法取引で税金詐欺の有罪判決を受け入れたことを理由に罷免を命じた最高裁判断に従った。首相は一方、デリ氏が将来も公職に就けるよう「あらゆる法的手段」を探る考えを示した。
デリ氏の側近は軍のラジオ放送で、連立与党の一角でデリ氏が所属する宗教政党「シャス」の他のメンバーが後任になると述べた。
ネタニヤフ氏は、3つの国家権力のバランスを取り戻すためとする司法制度改革を推進しており、国内で抗議デモが広がっている。改革によって司法の独立性が損なわれるとの懸念がある。
現地ハヨム紙の世論調査では、ネタニヤフ首相が提案した判事任命制度の改革に35%が賛成し、45%が反対。また、最高裁判断の一部を議会が覆せるようにするという提案への支持は26%にとどまった。
ネタニヤフ氏は、デリ氏に関する最高裁判断は「国民の意思を無視している」と批判した。