Philip Blenkinsop
[ブリュッセル 26日 ロイター] - 国連貿易開発会議(UNCTAD)は26日、昨年12月初めからの2カ月間でスエズ運河を通航する貨物船が39%、貨物トンベースで45%それぞれ減少したと明らかにした。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海を航行する商船を相次いで攻撃し、海運会社が迂回ルートを選択したことが要因。
過去2カ月間でコンテナ輸送は82%減少し、液化天然ガス(LNG)では減少幅はさらに大きかった。
UNCTADの貿易物流部門を率いるジャン・ホフマン氏によると、既にロシアによるウクライナ侵攻で穀物と石油の輸送ルートが打撃を受けたほか、パナマ運河は渇水による水不足のため通航船舶が大幅に減った。こうした状況にスエズ運河経由の貨物激減が加わり、世界貿易の主要3ルートは脆弱化したという。
ホフマン氏は「(物流の)遅延や、経費の上昇、(迂回ルートを速く通航することで)温室効果ガスの増加が起きている」と懸念を表明した。