[ロンドン 25日 ロイター] - 欧米の石油大手は、黒海沿岸にあるロシアのノボロシースク港で輸出が停止したため、カザフスタンで操業する巨大油田での生産縮小を余儀なくされている。各社の収益減少に加え、ロシアによるウクライナ侵攻で、世界的な供給リスクの高まりが浮き彫りになってきた。
米シェブロン、エクソンモービル、英シェル、仏トタルエナジーズ、伊ENIなど海外企業がカザフスタン油田の権益を保有している。
カザフスタン産原油の80%以上は、送油管カスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)経由でノボロシースク港へ輸出されている。これは世界の石油需要の約1.2%に相当する。
ノボロシースク港は23日、CPC輸出ターミナルにある3つの停泊所のうち2つを閉鎖した。最近の暴風雨に伴う被害が理由としている。ただ、荷積み作業は、稼働している1カ所で24日に部分的に再開しているという。
カザフ最大の石油開発合弁会社テンギスシェブロイル(TCO)を運営するシェブロンは25日、予定外のノボロシースク港での修理作業で減産していると説明。減産規模に関する詳細は明らかにしなかった。
トレーダーによると、CPC輸出ターミナルの倉庫はほぼ満杯状態にある。同ターミナルの事情に詳しい関係者は、停泊所が暴風雨によって大きな被害を受けたとは考えにくいと述べ、欧米の厳しい制裁に直面するロシア政府の判断によるものとの見方を示した。