[31日 ロイター] -
<為替> 米連邦準備理事会(FRB)の物価目標変更を受けてドルが2年超ぶりの安値を付けたほか、月間では4カ月連続下落となった。
主要通貨バスケットに対するドル指数 (=USD)は0.08%安の92.161。一時は2018年5月1日以来の安値に沈んだ。8月は1.5%下落。8月としては5年ぶりの下落率となったほか、月間続落期間は17年夏以降で最長になった。
一方、ユーロ (EUR=)は0.24%高の1.193ドル。月間ベースでは約1.4%上昇し、4カ月続伸。
FRBのパウエル議長は27日の講演で、インフレ率が「一時的に」2%を上回ることを容認し、長期的に平均2%の目標達成を目指すことを柱にした新戦略を発表。これにより、インフレは小幅上昇し、金利はより長期間低水準にとどまるとみられている。
円
NY外為市場:[USD/J]
<債券> FRBが先週発表した雇用最大化と物価安定のための新戦略の詳細に注目が集まる中、買い戻しが入り、長期債を中心に利回りが低下。
終盤の取引で10年債 (US10YT=RR)利回りは3.1ベーシスポイント(bp)低下の0.6982%。
30年債 (US30YT=RR)利回りは4.3bp低下の1.4648%。前週28日は1.577%と、6月中旬以来の高水準を付けていた。
TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ゲンナディ・ゴールドバーグ氏は「先週は年次経済シンポジウムのジャクソンホール会議直後に売りが出て、(長期金利が短期金利より大きく上昇することで利回り曲線がスティープ化する)ベア・スティープニングのような状態になったが、(週明けは)安値拾いの買いが改めて入ったもよう」と指摘。
市場ではFRBの指針の詳細の手掛かりを得ようと、今週予定されているFRB当局者の発言に注目している。30年債利回りの先週の上昇を受け、FRBは来月の連邦公開市場委員会(FOMC)で長期債の買い入れ拡充を決定する必要が出てくるとの見方も。
また、市場は9月4日発表の8月の雇用統計にも注目。
2年債と10年債の利回り格差
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国株式市場は、S&P総合500種 (SPX)が一服商状となり小反落。しかし、8月の上昇率は7.01%と1986年以来の好成績となった。ナスダック総合 (IXIC)は続伸。アップル (O:AAPL)などのハイテク優良株の上昇が追い風となった。ダウ工業株30種 (DJI)は軟調だった。
月間では、主要株価3指数はそろって5カ月連続で上昇。S&Pは18年に6カ月連続の上昇を記録して以来最長。また、ビスポーク・インベストメントのデータによると、S&Pはこの5カ月に35.6%上昇し、1938年以来の好成績となった。
8月はFRBによる2%超のインフレを容認する新戦略、新型コロナウイルスのワクチンや治療を巡るプラスの動向、ハイテク株の上昇がS&Pとナスダック押し上げに寄与した。
S&Pはコロナ危機前の水準を3.8%、ナスダックは約20%上回って推移している。
この日は、S&P主要11セクター中、情報技術 (SPLRCT)、ヘルスケア (SPXHC)、公益事業<.SPXRCU>の上昇が目立った。一方、エネルギー (SPNY)は下落した。
個別銘柄では、株式を分割したアップルが3.4%高、テスラ (O:TSLA)が12.6%高で終了。
食物アレルギーの治療薬開発などを手掛けるバイオ医薬品のアイミューン・セラピューティクス (O:AIMT)は171.6%急騰。スイス食品大手ネスレ (S:NESN)が同社を完全買収すると発表した。
中国短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業買収に名乗りを上げるマイクロソフト (O:MSFT)、ウォルマート (N:WMT)、オラクル (N:ORCL)は軒並み下落。中国政府が28日、ハイテク技術の海外移転に関する規制を強化。TikTokの一部事業売却が困難となる恐れがある。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 対ユーロでのドル安進行に伴う割安感が支援材料となり、小幅続伸。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前週末比3.70ドル(0.19%)高の1オンス=1978.60ドル。月間では0.37%安と、中心限月ベースで半年ぶりのマイナスとなった。
新型コロナウイルスの感染再拡大や11月の米大統領選をめぐる不透明感も引き続き相場を支えている。一方で、超低金利政策の長期化への安心感からリスク選好意欲が持ち直しており、安全資産としての金塊の上値は抑えられた。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> エネルギーの先行きに対する警戒感が相場を下押しし、3営業日続落。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値(終値に相当)は前週末比0.36ドル(0.84%)安の1バレル=42.61ドル。11月物は0.39ドル安の42.90ドルとなった。
アブダビ国営石油会社(ADNOC)がアジア顧客向けの10月の原油供給量を30%削減すると伝わったことなどで、未明の原油相場は堅調に推移していたが、新型コロナ感染再拡大を背景に世界的にエネルギー需要が先細りするとの観測が根強く、相場は次第にマイナス圏に沈んだ。米株相場が軟調に推移したことも株と並んでリスク資産とされる原油が売られる要因となったもよう。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 105.89/105.92
始値 105.91
高値 106.09
安値 105.79
ユーロ/ドル NY終値 1.1936/1.1937
始値 1.1918 (EUR=)
高値 1.1965
安値 1.1920
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*18.00 1.4760% (US30YT=RR)
前営業日終値 96*25.50 1.5080%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*07.00 0.7064% (US10YT=RR)
前営業日終値 99*00.00 0.7290%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*29.00 0.2689% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*28.00 0.2750%
2年債(指標銘柄) 17時03分 99*31.50 0.1328% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*31.38 0.1350%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 28430.05 -223.82 -0.78 (DJI)
前営業日終値 28653.87
ナスダック総合 11775.46 +79.82 +0.68 (IXIC)
前営業日終値 11695.63
S&P総合500種 3500.31 -7.70 -0.22 (SPX)
前営業日終値 3508.01
COMEX金 12月限 1978.6 +3.7
前営業日終値 1974.9
COMEX銀 12月限 2859.4 +80.4
前営業日終値 2779.0
北海ブレント 11月限 45.28 ‐0.53 (LCOc1)<0#LCO:>
前営業日終値 45.81
米WTI先物 10月限 42.61 ‐0.36 (CLc1)<0#CL:>
前営業日終値 42.97
CRB商品指数 153.2139 ‐0.2251 (TRCCRB)
前営業日終値 153.4390 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200831T222434+0000