この日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、多くのメンバーが6月利上げは時期尚早であると判断していることが判明。米金利は素直に低下で反応したものの、外為市場はドル高優勢の展開となった。
同議事録では、イエレンFRBは1-3月の景気低迷後、米経済は緩やかな回復基調へ回帰すると想定していること、ドル高や原油安が反転しつつある点にもメンバーの関心が示されており、これらの点がドル買い継続の要因となった可能性がある。
だが、筆者はこれまでドル安を牽引してきたEUR/USDの反転が直近のドル高の背景にあると考えている。その反転を牽引しているのは独金利の低下だろう。実際、昨日の欧州株式は総じて堅調に推移し、且つ原油相場は前日比+1.7%の反発となったにもかかわらず、独金利の反応は鈍かった。ECBサイドからの金利急反発に対するけん制発言と緩和前倒し観測が独金利の上値レジスト要因として再び市場で意識され始めていると考えられる。
一方、USD/JPYはEUR/USDを震源地としたドル高圧力の拡散に加え、テクニカル要因も重なったたため121円台への再上昇に成功したと考えられる。ただ、このドル高がトレンド化するには、昨日も指摘したように好調な米指標データが求められよう。
【テクニカル分析コメント】 -EUR/USD、攻防分岐は短期サポートライン
レジスタンス
1.1242:10日MA(赤ライン)
1.1230:オファー
1.1224:5日MA (緑ライン)
1.1200:オファー
1.1152:5/20高値
サポート
1.1050:厚いビッド、短期サポートライン
1.1000:ビッド、サポートポイント
1.0994:リトレースメント50.00%
攻防分岐は短期サポートライン。このラインが推移レベルには厚いビッドも観測されている。テクニカル&オーダー状況の両面で重要な1.1050レベルを下方ブレイクする展開となれば、ユーロ相場が完全に反転したシグナルと外為市場の参加者は捉えよう。その場合、次のサポートポイントとして意識したいのは、心理的節目の1.10。このレベルにもビッドが観測されている。
一方、上値は5日MAが推移している水準まで反発するかが焦点となろう。1.1200及び1.1220-30レベルにはオファーが観測されている。
上記の通り独金利が反転した可能性を考えるならば、ショート戦略で臨みたい。戻り売りポイント(例:昨日高値1.1152レベル、オファーが観測さている1.12レベル)を定め、アンワインドの水準は短期サポートライン前後を想定。このラインのブレイク確認後、再びユーロショートを構築し、最大1.10レベルでアンワインドできれば御の字。
逆にユーロロングを考えるならば、筆者個人は短期サポートライン維持を確認した後に動く。だが、RSIが売り買い分水嶺の50.00を下方ブレイクし、且つADXも低下傾向にある点を鑑みるに、ユーロロング保有後は上記レジスタンスポイント以下であっても、すぐに逃げられるスタンスで臨むだろう。
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