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チャート分析:ブレクジットが長引く中で、粘り強い英ポンド

発行済 2019-03-28 14:00
更新済 2020-09-02 15:05

英国は2016年6月23日の国民投票でEU離脱が選択された以来、離脱に伴う話題は市場に大きく影響を与え、ニュースを賑やかせてきた。

しかし驚きなのは、英ポンドは2019年でもっとも良いパフォーマンスであることだ。さらなる上昇も考えられる。

1985年から2016年の6月までの31年間のポンド/ドルの底は、1.4000であった。2016年の国民投票の結果によって、ポンド/ドルは初めてその30年間の底値を割った。そしてこの1.4000の水準がサポートラインからレジスタンスラインとなったのである。2018年では1.4000のレジスタンスラインを試したが、1.2500まで戻す結果となりダブルトップを形成した。1.2500は1985年以来の最安値である。

GBP Daily Chart

国民投票以来、ブレクジットの進展によってポンドは紆余曲折する中で、壮観すると市場心理的には悲観的であった。しかし、現在のポンドは意外にも粘り強さを見せている。

2018年の中盤以来下降チャネルラインを形成していたが、昨年の12月11日に底を打って以来、上昇チャネルラインを形成している。

ラウンディングボトム(上図:青線)を形成し、長期的にもトレンドが転換したことを裏付けている。しかし、まだ決定的な水準まで回復していないため長期的に底を打ったと言えない面もある。

我々がネックラインだと考えるのは1.3300の水準である。これは前回の下降チャネル中の高値であり、いまだこの水準を抜けてはいない。また、おもしろいことにラウンディングボトムの底からネックラインまでの差は800pipsであり、現在レートから1.4000までの差と一致しており、現在レートはちょうど真ん中に位置している。

保守党内のEU離脱推進派の「欧州研究グループ(ERG)」を率いるジェイコブ・リースモグ氏のメイ首相の離脱案を支援を示唆する発言は、ポンドを上昇を加速させる可能性がある。

また、FRBはハト派に転じた一方で、トランプ米大統領はヘリテージ財団のシニアフェローを務めるステファン・ムーア氏を次期FRB理事指名候補にあげ、ムーア氏は直ちに50ベーシスポイントの利下げを実施すべきと主張した。22日には逆イールドが発生した後で、このムーア氏の発言はドル安を招く要因になり、ポンドを支えることになるだろう。

今後のブレクジットの進展がみられれば、1.4000の水準まで十分に上昇する可能性はあるだろう。

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