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JPモルガンのQ1決算は、今後の銀行株の指標となる

発行済 2019-04-12 16:00
更新済 2020-09-02 15:05
  • 決算報告日: 2019年1-3月期(Q1)決算は4月12日 市場開場前
  • 予想売上高: 284億5000万ドル
  • 予想EPS: 2.35ドル
  • JPモルガン・チェース(NYSE:JPM)は本日、1−3月期(Q1)決算報告を市場開場前に控えている。投資家は同社の10-12月期(Q4 )の決算が振るわなかった後で、今後のトレンドを見極めようとしているだろう。

    融資事業の伸びと、投資銀行部門の堅調な事業に牽引され、過去12ヶ月でJPモルガンの業績は堅調であった。昨年同社は米国の税制改革による恩恵も受け、7−9月期(Q3)では過去最高の純金利収入を記録した。しかし、10−12月期(Q4)では利益が予想を下回った。債券トレーディング事業・営業収入は前年同期比18%減の18億6000万ドルとなり、過去10年で最も悪い水準であった。また、費用の増加は利益を圧迫していた。利益と収入もどちらも市場予想を下回り、このような利益減少は2015年以来であった。

    JPM 週足

    TradingView: JPモルガン・チェース

    JPモルガンの株価は11日の終値は106.23ドルとなっており、過去1年間では約4%の下落となっている。年初来からの回復しているものの、ここ数ヶ月上値が固い。

    この株価の方向性に欠ける動きとともに、同社の1−3月期決算では低調な市場予想が立っている。市場予想では、EPSは前年比横ばいの2.35ドル、収入は284億5000万ドルと見られている。

    成長性の見通しは改善

    不明瞭な見通しはあるものの、2018年9−12月期の下落のあとで多くの改善が見受けられる。

    マクロ面では、米中貿易協議は合意により近づいており、合意に至れば今まで世界経済の成長や銀行の融資事業の拡大の足かせとなっていた問題が解消される。パウエルFRB議長は先月、現在のとりまく悪材料は強いという認識の上で、今年の経済成長の見通しを下方修正し、2019年の利上げは予想していないと述べている。

    低金利は一般的に銀行にとってネガティブと考えられているが、銀行は融資事業を促進する可能性がある。JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は今年頭で、短期的に融資事業の見通しは明るいことを述べていた。

    要点

    世界経済低迷の懸念の中で、JPモルガン株はあまり魅力的な銘柄に見えないかもしれない。しかし、最近の株安の中で銀行株は比較的に割安になっている。JPモルガンの配当利回りは年率3%であり、過去5年間平均の2.3%と比べると高い。銀行株をポートフォリオに入れたい長期投資家にとっては、JPモルガンの株価は魅力的であろう。マクロ環境の改善や、米国の大手銀行というポジショニングを考慮すると、JPモルガン株は長期投資として良い選択だろう。

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