
2019年のIPO市場は大きな盛り上がりを見せている。最も期待されていたいウーバー (NYSE:UBER)やリフト (NASDAQ:LYFT)は残念な結果になった一方、ビヨンドミート (NASDAQ:BYND)やズーム(OTC:ZOOM)は素晴らしいリターンを生むIPOとなった。
しかし現在では、赤字を計上し続けている企業が市場から歓迎されにくくなっていることが窺える。
本記事では、2019年失敗に終わってしまった3つのIPO企業を紹介する。
ニューヨークに拠点を置くペロトン・インタラクティブ(NASDAQ:PTON)は、高額なエクササイズバイクの販売といった、フィットネス事業を展開する企業である。
同社は9月25日、IPO公募価格を29ドルに設定し11億6000万ドルをIPOで調達。しかし、初値は27ドルとなり一時15%安となった後、初日の公募価格を11%下回る25.6ドルとなった。10億ドルを調達した企業の中では、過去10年で最大の公募割れとなった。
140万人以上の会員を持つペロトンは、自身を「世界最大のインタラクティブフィットネスプラットフォーム」と称している。
また同社はアプリを介しエクササイズプログラムを月額制で販売している。最もベーシックなプランとして「コネクテッドフィットネス」というプランを月額39ドル、エクササイズバイクは約2000ドルから販売している。
IPO申請書類をみると、6月30日までの1年間で売上高は、昨年から110%増で9億1500万ドルとなり順調である。しかし、損失は2億4570億ドルと昨年の4790万ドルから大きく拡大している。
同様にIPOに失敗した企業として挙げられるのが、歯列矯正製品の販売等を手がけるスマイルダイレクトクラブ(NASDAQ:SDC)だ。同社は公募価格を1株当たり23ドルに設定し、13.5億ドル調達する計画であった。
しかし、9月12日に上場した同社の株は9月30日時点で13.21ドルで取引されており、公募価格から約40%の下落となっている。同社のビジネスモデルは魅力的であるが、IPOに参加した投資家にとっては残念な結果となっている。
スマイルダイレクトクラブの提供するサービスは、アライナー型矯正装置を直接ユーザーのもとへ届け、その矯正過程を遠隔地にいる歯科医や専門医が監督するといった形で提供される。また他にもスマイルショップ(SmileShop)と呼ばれる店舗での無料歯列3Dスキャンサービスの提供や、オンラインショップでの商品販売も手がけており、また必要に応じて歯科専門家がアライナーを処方する。
スマイルダイレクトクラブによれば同社の治療は平均して約6か月程であり、従来のブレースによる歯列矯正期間である12〜24か月よりも大幅に短くなっているという。さらに価格面で見ても、同社の治療費は従来の歯列矯正器具よりも約60%少ないという。
スマイルダイレクトクラブの昨年の売上高は4億2320万ドルであり、前年より190%増加している。しかしこの売上を生み出すためには多くの費用がかかっており、マーケティングおよび販売費用は2017年が6420万ドルであったのに対し2018年は2億1310万ドルと3倍以上に増加している。
ニューヨークに拠点を置くウィーワーク(NYSE:WEWK)は、起業家向けのコワーキングスペースを提供する企業である。ソフトバンクが2012年から出資しており、日本でも首都圏を中心に進出が拡大している。ソフトバンクの直接出資額は約75億ドルにもなるという。
しかしウィーワークは今年8月に上場を申請した頃から、財政問題や企業構造の問題が明らかになり大炎上へと発展した。
ソフトバンクグループからの大型出資を受けて同社の評価額は470ドルにものぼっていたが、これはIPO前に集めた投資額ではFacebookの7倍、Googleの140倍となっており、評価額に対する疑問視が広がっていた。
またウィーワークは9年前の創業以来120億ドル以上を調達をしてきたが、黒字化したことは一度もなかった。今年の上半期の赤字は90億400万ドルであった。
創業者のアダム・ニューマン氏の行動・人格も問題視された。ウォールストリートジャーナルは、IPO前にニューマン氏が自己取引(自社株の売却や、株を担保とした借入)などを通じて過去5年間で7億ドル以上を手にしていたことを明かしている。
同社は評価額を100億ドルまでに下げIPOを実施しようとしていたが、結果的に先週ニューマン氏は辞任に追いやられ、同社は9月30日に正式に米証券取引委員会に登録したIPO申請を撤回すると発表した。同社の上場延期は、IPOの市場心理悪化を反映したものだと言えるだろう。
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