ネットフリックス (NASDAQ:NFLX)は、新型コロナウイルスの恩恵を最も受けている銘柄の1つである。同社の株価は過去3か月間、弱気相場を脱却しただけでなく、新規有料加入者の増加を背景に過去最高値を記録している。
同株は年初来で約40%高となっており、テクノロジーセクターをアウトパフォームしている。他方、S&P500は年初来で約11%安となっている。
同社の第1四半期(1-3月期)決算では、有料会員が1580万人増となり過去最高を記録した。その背景には、新型ウイルスによる外出制限を受け、多くの人々が家でネットフリックスを利用するようになったことが挙げられる。
一部のアナリストは、同社の株価にはさらなる上昇の余地があると見ている。ジェフリーズは先週、ネットフリックスのレーティングを「買い」、目標株価を520ドルとした。
アナリストのAlex Giaimo氏は、ネットフリックスが獲得できる市場規模は非常に過小評価されていると述べた。
同氏は「我々の推測では、同社の有料会員数は8億5000万人まで増加すると見ている」と語った。
さらに、「ネットフリックスはストリーミング動画市場において、今後も先行者利益を享受し続けるだろう」と述べた。
苦戦する競合他社
また、深刻な不況が発生した場合、競合他社がネットフリックスの主導的な地位に大打撃を与えるには、かなりの時間がかかるだろう。
ディズニー (NYSE:DIS)とアップル (NASDAQ:AAPL)は2019年11月、それぞれ独自のストリーミングサービスである「Disney+」と「Apple TV+」を開始した。今後、AT&T(NYSE:T)は5月27日に「HBO Max」を、コムキャスト (NASDAQ:CMCSA)は7月15日に「ピーコック」を開始する予定である。
ディズニーはあらゆる事業で新型ウイルスの影響を受け、第2四半期決算では14億ドルの利益が失われた。
ディズニーにとって、ストリーミング事業のDisney+は唯一の光明だ。テーマパークなど他の事業の低迷が続く場合、Disney+へ十分な投資ができない可能性がある。
ネットフリックスにとっての懸念材料は、新型ウイルス終息後の減速である。
「他の娯楽サービスと同様に、一時的に会員数が増加している」と同社は投資家へ述べている。さらに、「新型ウイルスによる外出制限が終了した場合、会員数の増加は減速すると見ている」と語った。
同社の予想では、第2四半期における新規有料加入者は750万人となっており、第1四半期から大幅に減速する見通しである。
総括
ネットフリックスは新型ウイルス終息後も、成長を続けていく可能性が高い。同社の大規模なコンテンツ投資やグローバル展開、技術的優位性などが、同社の成長を支える要因となるだろう。