これまで経済は堅調に回復していたが、オミクロン株の感染が世界各国で確認されて、再び渡航制限が導入されていることなどを背景に、今週も米国株式市場は変動性の激しい展開になるだろうとみられている。
オミクロン株の出現を受けて、ゴールドマン・サックス は2021年および2022年における米国経済の成長目標を引き下げ、週末の報道では、新たな変異株は経済成長を「ある程度」押し下げるものとになるだろうとしている。
同社は米国のGDP成長率は今年3.8%とこれまでの4.2%から引き下げ、来年の予想を3.3%から2.9%に下方修正している。このような懸念を受けて、リスク性資産から投資資金は引き上げられ、逃避先として米国債への買いが集まった。
コロナ禍への懸念から米国株式市場は下落しているが、今週注目するべき3銘柄を下記に挙げる。
1. GameStop
GameStop (NYSE:GME)はビデオ・ゲーム小売であり、Redditの個人投資家から好まれている企業だ。同社は12月8日(水)に第3四半期の決算発表を予定している。アナリストのコンセンサスは1株あたり0.52ドルの損失で売上は12億ドルを予想している。
同社株は年初来で800%上昇しているが、投資家は現在苦戦している実店舗販売からの転換を経営陣に期待している。
同社株を13%取得し、会長となったアクティビスト投資家であるRyan Cohen氏は6月に、投資家を失望させることはしないと話していた。同月、同社は元Amazon (NASDAQ:AMZN)のMatt Furlong氏をCEOにすると発表した。
リスク回避の動きを受けて週次で14%低下し、同社株は172.39ドルで先週の取引を終えた。同社を支える個人投資家は第3四半期決算には注目している。新たな経営陣は損失の削減および小売販売をより持続的な成長路線へと転換できるのかを見極めるものとなるだろう。
2. Costco Wholesale
米国最大級のディスカウント小売の一社であるCostco Wholesale (NASDAQ:COST) は12月9日(木)の引け後に2022年会計年度の第1四半期決算を発表する。アナリストのコンセンサスは1株あたり2.62ドルの収益および売上540億ドルを予想している。
昨年、同社は投資家からの人気を最も集めた株の一つとなった。コロナ禍の発生を受けて、消費者は外出を減らし、まとめ買いの切り替えたことで、同社は売上を伸ばす展開となった。
経済活動が再開されたことを背景に、今回の発表でも引き続き堅調な売上を予想している。 同社は先月売上が181.3億ドルと16%程度向上したと発表している。同社株は年初来約40%上昇し、先週は528.93ドルで引けている。
3. Broadcom
今週企業決算を発表する注目企業はBroadcom (NASDAQ:AVGO)だ。同社は木曜日の引け後に2021年会計年度の第4四半期決算を発表する。アナリストのコンセンサスは1株あたり7.74ドルの収益および売上73.6億ドルを予想している。
今回の企業決算ではCEOのHock Tan氏指揮の下、同社が進めている買収による事業成長や苦戦しているソフトウェア資産の組入などが成果を上げているのか見極めることになるだろう。
同社は世界最大級の半導体メーカーであり、スマートフォン部品、ネットワーク機器の中核部品,ホームWi-Fi機器やセット・トップ・ボックス用の半導体などの製造を手掛けている。
半導体需要が旺盛であったにもかかわらず、9月に同社は予想よりも売上成長率が軟調であると発表し、投資家を驚かせた。 当時、同社は将来的な在庫増を避けるために、慎重に需要を満たしていると説明していた。
同社は先週金曜日に558.12ドルで引け、年初来は27%、過去1年間では40%上昇している。