退職してから、毎年増配を続けているような企業の株式に投資を行うというのは有名な投資戦略の一つだ。
このような投資戦略を行う場合、安定していて、堅固な収益を毎年あげており、長期に渡って株主還元にコミットしているような企業を探すことになる。また、毎年増配を実施するような企業はインフレに対する防衛策にもなる。
足元、物価が上昇しており、私達の購買力は相対的に落ちている。増配を続けてるような企業への投資を通じて自身の購買力を防衛、もしくは高めていくことが重要だ。
下記にこれまで安定的に増配を続けている企業を3つ挙げた。これらの企業の株価は昨年に大きく上がったために、配当利回りは低くみていしまうかもしれないが、営む事業は低リスクでクオリティーの高いものばかりである。
1. Home Depot
過去5年間の平均配当成長率： 22%
配当利回り：1.6%
配当性向： 43%
ホームセンター最大手のHome Depot (NYSE:HD)の株は配当成長率が非常に高い高配当株として知られている。コロナ禍発生後、住宅のリノベーションという巣篭もり需要に下支えされて、同社は堅固な成長をすることができている。
今後も多くの企業がオフィス勤務と在宅勤務を両立させるハイブリッド勤務モデルを続けると期待されており、労働者は柔軟な勤務体制を享受することができる。加えて、足元の低金利環境下や多くのアメリカ人がコロナ禍中に貯蓄に励んだことなども同社の業績を下支えしている。
同社は先月企業決算を発表したが、引き続き業績が良好であることを示唆するものとなった。小売店の状況を評価する際に使われる既存店売上高は同社が第3四半期に6.1%成長した一方で業界平均は1.5%であった。
同社は現在1株あたり1.65ドルを配当金として支払っているが、これは過去5年で年率22%増配していることを示唆している。この増配トレンドは今後も続くとみている。配当性向は43%と持続可能な水準であり、今後も株主還元を続けることが可能だろう。
2. Nike
過去5年間の平均配当成長率： 11.3%
配当利回り： 0.72%
配当性向：28.7%
Nike (NYSE:NKE)の株も魅力的な配当として知られている。平均配当成長率は11%を超える。
配当性向は30%やや下回る低位な水準であり、同社の 収益力を勘案すると、同社は今後も増配を実施する余力がある。
現在同社は四半期毎に1株あたり0.305ドルを配当している。現在の株価は172.29ドルなので、年率の配当利回りは1%を下回っている状況だ。
高配当株の投資家にとっては物足りないものであるようにみえるが、長期保有者にとっては配当利回りだけで同社の魅力を十分に語ることはできない。
優良な高配当株はネガティブ・サプライズなしに増配を続けるような企業の株だ。同社は20年連続で増配を続けており、国内外の景気動向に関係なく、配当に回すことができる潤沢な手元資金を有していることがわかる。
安定的に配当を続けていることに加えて、同社は継続的に商品のイノベーションを実現しており、事業も堅調に成長している。
パンデミックによって多くの大手小売は配当支払いを中断した一方で、同社はこのような景気低迷期においてもただ生存するだけでなく、新たな市場環境に順応することができている。例として、ロックダウン時は既存店舗は閉鎖に追い込まれた一方で、すぐにオンライン販売で切り替えることができている。
3. UnitedHealth Group
過去5年間の平均配当成長率：21%
配当利回り：1.29%
配当性向：33%
最後に挙げるヘルスケア大手のUnitedHealth Group (NYSE:UNH)も高配当株の代表例だ。
同社は堅固なキャッシュ・フロー総出力を有し、過去5年間に株主は高位な配当成長率の恩恵を受けている。同社は四半期配当で1株あたり1.45ドルを支払っている。過去5年間の年率配当成長率は21%だ。
同社はコロナ禍後も素晴らしい資本成長率をみせている。パンデミックの選択的医療処置に対する需要が抑制されたことを追い風として、同社の株価は上場来高値を記録しており、過去2年間で65%の成長をみせている。
同社は健康保険事業およびOptum医療ケアサービス部門を手掛け、毎年多額の収益をあげており、投資家はヘルスケア銘柄に投資ができる上に高位なインカム収入を得ることができる。
先週発表された同社のガイダンスによると、同母2022年会計年度には売上3200億ドル、事業キャッシュ・フローは230億ドルから240億ドルにのぼるとしている。
今年、同社の収益は約2870億ドルで1株あたりの純収益は17.80ドルから17.95ドル、1株あたりの純売上高は18.75ドルから18.90ドルに達すると期待されている。
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