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カバード・コールを使うことで、ボラティリティを抑えながらStarbucks株を企業決算前に買う方法

発行済 2022-01-06 03:33
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  • スペシャリティ・コーヒー・チェーン大手Starbucks株は2021年に12%以上上昇

  • Starbucksは80カ国以上で34,000店舗を展開

  • 長期投資家はStarbucks株を110ドル近辺まで値下がったところで押し目買いが魅力的

  • スペシャリティ・コーヒー・チェーン大手のStarbucks (NASDAQ:SBUX)は2021年に2桁上昇を達成した。過去12ヶ月間の同社株のリターンは約12.30%だった。

    SBUX Weekly TTM

    比較すると、S&P Food & Beverage Select Industry Indexの過去52週間のリターンは14.4%で、 Dow Jones US Restaurants & Bars Indexは19.4%値上がりしている。

    2021年7月、Starbucks株は126.32ドルを記録したが、それ以降は8%ほど値下がりしている。過去52週間の株価レンジは95.92ドル~126.32ドルで、時価総額は約1,367億ドルだ。

    2021年には創立50周年を迎え、現在は約34,000店舗を世界中で展開している。約51%は直営店で残りは営業ライセンスを与えている店舗だ。

    最近の調査ではグローバルのコーヒー店の市場規模は2024年には810億ドルに成長するとされている。現在の米国での市場規模は360億ドルだ。Starbucksは「コーヒー・チェーンとして最高のブランド価値を世界中で有して」おり、「売上ベースで米国のコーヒー・チェーンの牽引する」存在であると評価されている。

    同社はFortuneの最も称賛される企業で第6位に位置し、食品サービス産業内では第1位である。「イノベーション」、「人的管理」、「企業資産の活用」、「長期的な投資価値」の分野で最高ランクの評価を受けている。

    ソーシャル・メディア分野の強化の一環として、経営陣はストリーミング大手Netflix's (NASDAQ:NFLX)のブック・クラブとのパートナーシップを最近発表した。2社はNetflixのソーシャル・メディア・チャネルにて月次ベースで文学作品や娯楽コンテンツの提供を開始する。

    また10月28日には第4四半期および2021年会計年度通期の企業決算を発表した。収益は約81億ドルで前年同期比31%上昇、修正後1株あたりの収益(EPS)は1ドルであった。第4四半期における既存店舗売上は米国内で17%、グローバルで22%成長した。

    CEOのKevin Johnson氏はカンファレンス・コールにて、「2021年会計年度中に当社のパフォーマンスは加速し、収益成長率は21%、非GAAPベースの営業収入は139%、非GAAPベースの1株あたり収益は3.24ドルにそれぞれ成長し、これらは2021年の決算見通しの楽観シナリオに近い水準だ」と話した。

    四半期決算の発表前、株価は114ドル近辺で取引されていたが、発表後日中には104.02ドルまで一時売られた。現在は116.15ドルあたりで推移している。現在の株価における配当利回りは1.69%だ。

    Starbucks株に期待すること

    Investing.comが35人のアナリストに対して行った調査によると、向こう12ヶ月間の目標株価は122.84ドルであり、これは現在の株価から7.53%高い水準である。

    SBUX Consensus Estimates

    出所:Investing.com

    今後12ヶ月間の株価レンジは96ドル~148ドルだ。

    また、株価収益率(PER)、株価純資産倍率(PBR)、株価売上高倍率(PSR)、売上マルチプルなどのいくつかの評価モデルを用いて分析すると、Starbucks株の適正株価は121.00ドルで、これは上記のアナリスト予想とも近い。

    また、100以上の要素を用いて、財務健全性に関して一般消費財セクターの競合他社との比較したランキングでは、Starbucks株は5点満点中4点で、パフォーマンス評価は”Good”であった。

    過去PER、PSRはそれぞれ32.6倍、4.7倍で競合他社は各19.1倍と2.1倍である。

    Restaurant Brands International (NYSE:QSR)は25.2倍と5.0倍、McDonald’s (NYSE:MCD)は27.6倍と8.9倍である。

    また、テクニカル分析に関心のある投資家は、同社株が短中期的には買われ過ぎの水準にあることにも注意してほしい。1月下旬には第1四半期の決算を発表する予定となっているが、変動性の大きい状況となるかもしれない。

    今後数週間、株価は105ドル~120ドルのレンジで推移するだろう。この水準をベースとして、年後半には新たなレッグが始まるとみている。

    したがって、短期的な値動きを気にしない投資家であれば押し目買いの好機かもしれない。

    もしくは、長期的には強気見通しを持っているが、短期的な変動を気にする投資家はカバード・コールのオプション戦略を検討すると良いかもしれない。(これまでも AppleAMDを用いて説明してきた)

    Starbucks株を用いたカバード・コール戦略

    日中株価:116.15ドル

    このオプション戦略では100株保有するごとに、同じ権利行使期限をであるコール・オプションを1つ売ることになる。

    火曜日の日中株価は116.15ドルであった。この株価を用いて説明を行う。

    オプション取引を行うことによってStarbucks株100株を買う(または売る)権利を得ることになる。

    短期的に株価の変動が大きいだろうと考える投資家はわずかならがイン・ザ・マネー(ITM)になっているカバード・コールを活用するのが良いかもしれない。ITMのコール・オプションとは現在の株価(116.15ドル)よりも権利行使価格が低い(115.00ドルなど)コール・オプションのことをいう。

    したがって、この戦略では100株を116.15ドルで現物で買い、同時に権利行使期限2月18日、権利行使価格115.00ドルのコール・オプションを売る。現在、このコール・オプションは4.95ドルで取引されている。

    このオプションの買い手は、4.95ドル×100株(495ドル)のオプション・プレミアムをオプションの売り手に払う。このオプションの有効期限は2月18日だ。

    コール・オプションの売り手は何があっても、このプレミアムを遅くとも権利行使期限には受け取ることができる。

    116.15ドルでカバード・コール戦略を実施したとする。最大リターンは380ドルだ(495ドル-(116ドル-115.00ドル)×100)、取引手数料は除く)。

    カバード・コールのリスク/リターン特性

    ITMのカバード・コールの最大リターンはショートしたコール・オプションのエクストリンシック・バリューだ。

    イントリンシック・バリューは今権利行使されたと仮定した場合の価値となる。この例ではStarbucks株のコール・オプションのイントリンシック・バリューは115ドル((116.15ドル-115.00ドル)×100)である。

    エクストリンシック・バリューはオプションの市場価格(プレミアム)とイントリンシック・バリューの差分だ。今回の例ではエクストリンシック・バリューは380ドル(495ドル-115ドル)となる。エクストリンシック・バリューは時間価値として知られる。

    カバード・コール戦略を行うと、権利行使価格(115ドル)以上で権利行使期限を迎えた場合、売り手は380ドルを得ることができる。

    権利行使期限日に権利行使価格以下になった場合、コール・オプションは行使されないで終わる。この場合、株の保有者は株を持ったまま、コール・オプションを売ったことによる収益も受け取ることができる。

    取引手数料は除いた、損益分岐点は111.20ドル(115.00ドル-3.80ドル)だ。

    損益分岐点は、コール・オプションのプレミアム(4.95ドル)をStarbucks株の現在の株価(116.15ドル)から引いても得られる。

    2月18日に株価が111.20ドル以下で引けた場合、コール・オプションを買っている投資家は損失を被ることになる。したがって、カバード・コールの売り手は株価が下落した場合のプロテクションを得ることになる。株価は極端な話し、0ドルになる場合もあるのだ。

    結論

    小売株をみている投資家にとって、Starbucks株は非常に魅力的な投資対象であり、強気見通しを有している。しかし、企業決算が出るまでの数週間、株価には下押し圧力がかかるかもしれない。

    プロの投資家にとっても、同社株をいつ買うのが最適かを見極めるのは難しい。しかし、オプション戦略であれば、決算発表前後の株価の変動に対して様子見姿勢でいることができる。

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