コモディティ価格の高騰や地政学的危機、サプライ・チェーンの混乱が続く中、今週は一部の米国大企業が最新の四半期報告を控える。
ブルームバーグによれば、最近のアナリストの修正と企業のガイダンスの傾向を勘案すると、パンデミック時代にみせた決算内容が予想を上回る確率と決算シーズンのリターンは通常のパラメーターから外れるものであったが、この異常な状況は終焉を迎えつつあることを示唆しているとのことだ。
パンデミック時にアナリストが今後の業績シーズンに向けて予想を引き上げていたパターンとは対照的に、2022年第1四半期の業績シーズンに向けて、アナリストは予想を引き下げている。
しかしアナリストは、特に価格決定力を維持し続けている企業については、依然として一部の企業が増益を計上すると予想している。RefinitivのI/B/E/Sデータによると、S&P 500構成企業の第1四半期の収益は、第4四半期の8.9%から低下するものの6.1%成長すると予想されている。
以下に、第1四半期決算が本格化する中、注目している3銘柄を異なるセクターからピックアップした。
1. Netflix
ストリーミング・エンターテインメント大手のNetflix (NASDAQ:NFLX)は、市場終了後の19日(火)に2022年第1四半期決算を発表する予定だ。アナリストは売上高79億4000万ドルで1株当たり2.95ドルの利益を予想している。
ネットフリックスの株価は、11月11日に過去最高値を記録して以来、厳しい売り圧力にさらされている。競争の激化と加入者数の伸び悩みにより、売上高と利益率が引き続き低下することを投資家は懸念している。こうした逆風に圧迫され、ロスガトスに本社を置くネットフリックスの株価は、今年に入ってから40%以上値下がりしている。木曜日の終値は341.13ドルだった。
ネットフリックスの急落は、同社が1月に最新の決算報告を発表し、加入者の増加がアナリストの予想ほど早く回復していないことを示した後に加速した。1年前の400万人増に比べ、第1四半期は250万人の加入者増にとどまりそうだ。
2. Tesla
電気自動車メーカーのTesla Inc (NASDAQ:TSLA)は、4月20日(水)の市場終了後に第1四半期の決算を発表する。アナリストは、売上高176億3000万ドルで、1株当たり2.24ドルの利益を予想している。
テキサス州オースチンを拠点とする同社は今月、イーロン・マスク氏が「例外的に」困難な第1四半期であったと述べた。サプライ・チェーンの混乱が続く中、全世界で31万1048台の車を納車したと報告したが、この数字は、アナリストの予想をわずかに上回るものだった。
それでも、この業績は同社が既存のサプライ・チェーンの問題に対処できたことを示し、工場を休止して生産を削減しなければならなかった他の自動車メーカーよりもはるかに優れている。
同社の2022年残りの販売予測と、コロナ禍によるロックダウンが生産に打撃を与える恐れがある中国の需要状況に投資家は注目している。
テスラ株は、今年約7%下落し、木曜日の終値は985ドルであった。
3. Procter & Gamble
消費財大手のProcter & Gamble (NYSE:PG)は2日の市場取引開始前に2022年度第3四半期の報告を行う。コンセンサス予想では、売上高187億ドル、1株当たり利益1.3ドルとされている。
柔軟剤「ダウニー」、ティッシュ「パフ」、紙おむつ「ラブス」の製造を手掛ける同社は、インフレと供給不足の影響を受けている企業の一つである。しかし、値上げによってこれらの圧力に対抗しようとしている。
同社は1月に投資家に対し、通年のオーガニック製品売上成長率を、以前の2%~4%から4%~5%に引き上げると発表しており、これは消費者がより高い価格を吸収できる状態にあり、コモディティ、輸送量、為替に関するコスト上昇にP&Gが対応できるようになったためであるという。
P&Gの株価は木曜日に158.57ドルで取引を終え、今年に入ってから3%下落している。2021年の株価は、パンデミック時の生活必需品の需要上昇の恩恵を受け、約19%上昇した。