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20日(水)市場開始前に2022年第3四半期決算を発表
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売上高予想:187億2000万ドル
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EPS予想:1.3ドル
Procter & Gamble (NYSE:PG)が明日発表する最新の四半期決算では、世界的なインフレが、2年間堅調な成長を続けてきたこの消費財メーカーの売上に与える影響について知りたいと考えている投資家が多いことだろう。PGの月曜日の終値は157.06ドルであった。
オハイオ州シンシナティに本社を置く同社は、パンデミック後の環境において、サプライ・チェーンの混乱やコスト上昇など、さまざまな逆風に直面しているグローバル企業のひとつである。
しかし、データによれば、同社はその価格決定力によってインフレの打撃を和らげることができ、コスト上昇と供給制限によるP&Gの利益への圧迫を緩和することができるはずだ。
12月31日に終了した四半期に、P&Gは2019年春以降で最も大幅な平均値上げを実施した。同社幹部によると、値上げは2022年まで続き、人件費、輸送費、原材料費の上昇が加速し続ける中でも、今後数四半期は収益性の向上と利益率の改善につながる可能性があるとのことだ。
洗剤「タイド」や柔軟剤「ダウニー」を手掛ける同社は、6月に終了する2022年度の売上高への影響を、11月に予測した24億ドルから28億ドルに拡大する可能性がある。こうした圧力により、P&Gは通期の既存事業売上高の伸びを、当初予想の2%~4%増から、4%~5%増と予想している。
堅調な消費者需要
このような見通しの改善は、クリーン・ホーム、健康、衛生などのカテゴリーにおけるP&G製品への需要が引き続き底堅く、消費者が高いコストを支払ってもよいと考えることを示している。
同社の主要市場である米国におけるインフレでは、需給の不均衡が中古車から日用品に至るまであらゆるものの価格を押し上げ、過去40年間で最高レベルのインフレが進行している。
前四半期のP&Gの消費者の平均価格は3%上昇し、この期間の売上増加の半分を値上げが占めた。残りの半分は、販売量の増加によるものである。
P&Gの株式は、この不安定な経済環境において、良いヘッジであることが証明されている。1月に発表した堅調な2022年第2四半期決算報告に下支えされ、株価はわずか3%の下落にとどまり、ベンチマークS&P500指数をアウトパフォームした。
Raymond Jamesは、P&Gをアウトパフォームと評価し、今月のメモで次のように述べている。
「市場がパンデミック後の成長とインフレを評価するにつれ、消費財株の状況はより厳しくなっているが、P&Gは市場の高位なボラティリティを乗り切る能力を有し、独自の取り組みによるコスト削減、イノベーションへの注力によって、その勢いを維持する上で有利に働くと考える。」
同社はまた、強固で多様な製品ポートフォリオにより、コモディティ価格の上昇に対処する体制が整っている。
過去5年間、P&Gはマーケティングを革新し、組織構造を簡素化するとともに、ブランド数を175から65に減らし、利益率が最も高い10の製品カテゴリーに集中させた。
また、その過程でブランドの売却、買収、工場閉鎖により34,000人の雇用を削減し、100億ドル以上のコスト削減を実現している。
結論
P&G株は、パッケージ型消費財企業の中で、依然としてお気に入りの銘柄である。1株当たり年間配当金3.65ドル、配当利回り2.33%という米国有数の高配当株であり、65年にわたる増配で、他に並ぶもののない配当実績を持っている。
同社株を敬遠する理由は、たとえ現在のインフレ環境で株式市場が荒れたとしても、ほとんどないと思われる。