S&P 500の第1四半期決算、2021年以来最強の決算シーズンへ
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米主要株価指数は、先週の過去最高値更新から一転、下落基調にある。
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複数のリスク要因が重なり、さらなる下落への警戒感が広がっている。
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こうした局面だからこそ、配当株のメリットに改めて目を向ける価値があるだろう。
先週、S&P 500とNASDAQ総合はともに最高値を更新。ダウ平均も一時50,000ポイントの大台に乗せた。
だが、その勢いは長く続かなかった。月曜日のS&P 500は0.07%安と2日続落し、テクノロジー株への売りが重なったNASDAQは0.51%下落した。前週金曜日にはすでにS&P 500が1.2%安、NASDAQが1.5%安、ダウが1.1%安と大きく値を崩しており、週明けも軟調な地合いが続いた格好だ。
この不安定さの背景には複数の要因があり、いずれも当面は市場の重しとなり続ける可能性がある。
1. インフレ
最大の懸念材料の一つがインフレだ。4月の米消費者物価指数(CPI)は前年比3.8%上昇し、2023年5月以来の高い伸びとなった。前月比でも0.6%上昇しており、エネルギー価格の17.9%急騰が主因だ。生産者物価指数(PPI)も予想を上回り、前年比6.0%上昇は2022年12月以来の大きさ、前月比では1.4%の上昇だった。
こうしたインフレ指標の強さを受け、金融政策への見方は一変した。CME FedWatchツールによると、年内の追加利上げ確率は50%に達しており、わずか1か月前の1%から急上昇している。
2. 長期金利の上昇
長期金利の上昇も見逃せない。米10年債利回りは月曜日に4.631%と、2025年2月以来の高水準をつけた。モルガン・スタンレーは以前から4.5%を「株式バリュエーションへの圧力が本格化する分岐点」と指摘しており、現在の利回りはすでにその水準を超えている。
3. イラン紛争
イランでの紛争も、市場にとって大きな不確実要因だ。2月下旬から続くこの紛争は原油価格の高止まりを招き、消費者物価を一段と押し上げている。エコノミストの間では、仮に紛争が早期に終結したとしても、グローバルなサプライチェーンの正常化には2~6か月を要するとの見方が広がっている。
4. 決算シーズン
今週は目先のリスクイベントも控えている。NVIDIA(NASDAQ: NVDA)が水曜夕方に決算発表を予定しており、AI関連株全体の方向性を左右する重要な試金石と見られている。
今年の相場上昇をけん引してきたのはテクノロジー株であり、NVIDIAはその中心的存在だ。決算が市場期待を下回ったり、ガイダンスが慎重な内容となれば、テクノロジーセクター全体に利益確定売りが波及し、主要指数を押し下げる可能性がある。
配当株ーー不透明な相場の「錨(いかり)」
こうした環境下で存在感を増しているのが、長年にわたり安定した配当を続けてきた米国企業だ。市場全体の下落と無縁ではないものの、割高なグロース株にはない2つの強みを持っている。
1つ目は、安定した収入源としての役割だ。 キャピタルゲインの見通しが立ちにくい局面では、5%超の配当利回りが短期的な株価変動に左右されにくい収益の柱となり得る。
2つ目は、実証済みの財務耐久力だ。 15年以上配当を継続してきた企業は、2008年の金融危機、コロナ禍、複数の利上げ局面といった大きな試練をすでにくぐり抜けてきた。こうした実績は、歴史の浅いAI関連グロース株にはまだ備わっていない強みと言える。
ただし、配当利回りの高さだけで銘柄を選ぶのは十分とは言えない。バリュエーションモデル上、割安と見られ、なおかつ上昇余地が見込まれる企業に注目することが重要だ。
今回はInvesting.comの株式スクリーナーを使い、以下の条件で銘柄を絞り込んだ。
- 市場: 米国
- 時価総額: 50億ドル以上
- 配当利回り: 5%超
- 配当実績: 15年以上連続
- 上昇余地: InvestingProフェアバリューで20%以上(複数の定評ある評価モデルを統合)
- 財務健全性スコア: 2.5/5以上
この結果、7銘柄が浮かび上がった。
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これら7つの米国配当株は、配当利回りが5.1%~6.8%、InvestingProフェアバリューに基づく割安度は21.9%~68.1%となっている。
これらの銘柄には以下が含まれます:
1. COLB: Columbia BankingSystem Inc(NASDAQ:COLB )は、米国北西部最大の地方銀行。地銀の中でもトップクラスの配当プロファイルを誇り、年間配当利回りは約5.1%。2026年6月まで四半期配当1株あたり0.37ドルの継続が確認されている。
CET1比率は規制水準を上回り、純金利マージンは3.84%と改善基調。さらに7億ドルの自社株買いプログラムも実施中で、配当の持続性を裏付ける財務基盤を備えている。
予想PERは約9.55倍と、金融セクターやS&P 500全体と比べても低水準にあり、インカムとバリュエーションの両面で注目に値する銘柄だ。
2. TROW:T. Rowe Price Group Inc(NASDAQ:TROW )は、運用資産残高約1.7兆ドルを擁する、世界最大級の独立系資産運用会社。
最大の特徴は40年連続の増配実績だ。年間配当は1株あたり5.20ドル、現在の株価水準での利回りは5.4%を超える。
2026年第1四半期には配当と自社株買いを合わせて6億2,900万ドルを株主に還元。運用資産残高は1.7兆ドルを維持しており、慎重な投資環境下でもキャッシュ創出力の高さが際立っている。
なお、今回のリスト上では、TROWを除く全銘柄がフェアバリューベースでより高い上昇余地を示している点にも注目したい。
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