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Daily Commentary - 06月05日2013年

発行済 2013-06-05 17:13
更新済 2019-12-18 20:45
EUR/USD
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USD/JPY
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AUD/USD
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概観

昨日も、前日のトレンドを反転させる1日となった。火曜日に発生した、ISM景況指数が予想を下回るのではないかとの懸念は後退し、USDは、USD/JPYをはじめとして、大半の通貨に対してどうにか回復した。米国株が下落したにも拘わらず、そうした状態であった。

金融政策に関する議論が続いている。比較的ハト派である(5段階中2)連銀総裁のサラ・ラスキン氏は、早期の金融緩和後退に対して警告を発したが、比較的タカ派である(5段階中4)カンザスシティー連銀総裁のエスター・ジョージ氏は、量的緩和からの後退は「緩和政策の減速」にすぎないと語った。量的緩和の「後退」のペースに関する意見の不一致から、私は、それが起こったとしても、そのペースは緩やかなものになり、その影響は漸次的なものに過ぎないだろうとの確信を深めている。

ユーロ圏では、さらなる緩和に対抗するセンチメントが高まりつつあるように見受けられ、これにより、EUR/USDが最近のレンジに長くとどまることが助長される可能性がある。フィンランドのカンタイネン首相は、ECBは政策をさらに緩和すべきではなく、マイナス金利は、ユーロ圏における信用の増大に寄与しないだろうと語った。フィナンシャルタイムスによれば、ECBは、信用を中小企業に融通する異例の方策から撤退しつつあり、今や、信用収縮に取り組む最高の方法は、ユーロ圏の銀行が適切に資本化されることを保証することであると考え始めているという。ECBの理事の間でも、金利をどの水準にすべきかについて、一向に合意は見られない。この問題を巧みに解決する唯一の方法は、貸付金利-緊急時に銀行に資金を貸し出すレート-と、預金金利-銀行から余剰資金を受け入れるレート-との差を縮めることを許すことである。先月、そのスプレッドは、2008年の金融危機時と正に同じ100bpにまで縮小した。その他の選択肢は、正反対のものとなるだろう。すなわち、差が縮まらないことを明言することである。そうしたシナリオでは、レポレートを25bpまで切り下げることになるが、これは、ユーロ圏無担保翌日物金利がそれを下回る限り、全く意味がない動きとなる。また、この差を将来的にわたって安定的に維持することも約束することになり、いかなる追加利下げの場合でも、マイナスの預金金利を余儀なくされるケースが含まれることを意味することになろう。この場合、マイナス金利の脅威が市場に残存することになり、EUR/USDにとってはマイナスとなるだろう。

マーケット

EUR/USD

• 昨日、ユーロ圏のPPIがデフレを示したにも拘わらず、EUR/USDは、60pip未満の狭い取引レンジにとどまり、1.3075前後で推移した。前月比での貿易赤字の拡大は予想よりも小幅となったが、これは、消費財の輸入の増大によるところが大きく、これによって、米国の回復速度が鈍化するとの懸念が後退し、USDにとってプラスとなった。IBD景気楽観指数が8ヵ月ぶりの高水準を示したことも、USDにプラスとなり、EUR/USDはトレンドライン・サポートを見出した。ユーロ圏のサービス業PMIと小売売上高に加え、GDP修正値が変わらずと予想されることも相俟って、本日、ボラティリティーは拡大する可能性が高い。米国では、製造業受注と非製造業PMIが、ADP雇用統計と共に発表されるが、金曜日の非農業部門雇用者数を予測する上で注目される。本日の強力なサポートは、2つの興味深いトレンドラインと200日移動平均が集中する1.3030に現れるとみられ、次のサポートは、50日移動平均であり、リトレースメント水準でもある1.2985に現れるだろう。何らかのトレンドライン・レジスタンスが1.3095にあるようだが、より強力なレジスタンスは、アッパー・ボリンジャーバンドの1.3115と1.3160で見出される可能性が高い。

USD/JPY

USD/JPYは、この1日の大半において、99.90 – 100.35の取引レンジ内で推移した。日本の財務省が、日本からおよび日本への資本の流出入に関するデータを発表し、日銀の政策による投資への影響に関して示唆を与えるとみられることから、同ペアは、オーバーナイトで変動する可能性が高い。強力なトレンドラインと50日移動平均サポートは、99.15-99.35の領域に現れる可能性が高く、99.90、100.35、100.80はレジスタンスとして機能するだろう。99.15から下方突破すれば、同ペアは、ロワー・ボリンジャーバンドを大幅に下回る98.65に向けて推移する可能性がある。

AUD/USD

• オーストラリアの経済成長率が予想よりもさらに鈍化していることが明らかとなったことを受けて、AUD/USDはこの24時間で大きく下げ、0.9650を下方突破し、0.9610でサポートを見出した。次のサポートは0.9560に現れ、0.9650を上回るレジスタンスは0.9700と0.9750で見出されるだろう。オーバーナイトでは、オーストラリアの貿易黒字の減少によって、この4週間のAUDに対する下値圧力に、拍車が掛かる可能性がある。



• 金は、4時間チャートに見られるとおり、右肩上がりのトレンドラインから反発した。一時的な1389ドルへのスパイクは、アジア取引時間中に1400ドルのレジスタンスを突破した後に現れた。本日のスパイク・サポートは、さらに高い1390ドル-1395ドル領域に現れる可能性があり、1400ドルが強力なサポート水準となり、1423ドルが最初のレジスタンスとなるだろう。1423ドル-1431ドル領域を突破すれば、レジスタンスは、金融危機後のラリーの38.2%リトレースメント水準である1445ドル水準に現れるだろう。

原油

• WTIも昨日の主な勝者となり、92.35ドルの強力な200日移動平均サポートから反発して、94.40ドルまで上昇した。本日の最初のサポートは93.50ドルに現れる可能性が高く、これを下回るサポートは、92.35ドルに現れるだろう。レジスタンス水準は、94.05、94.40、95.50ドルに見られ、8週間で最も大きく減少すると予想されているEIA原油備蓄の発表を考えれば、変動する可能性がある。

通貨レートベンチマーク - 今日の勝者と敗者

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