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Daily Commentary - 06月06日2013年

発行済 2013-06-06 17:51
更新済 2019-12-18 20:45
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概観

悪いニュースは良いニュース?

 期待外れの結果となったADP雇用統計を巡って、市場には、「悪いニュースは良いニュース」との見方が広がっている可能性が考えられる。ADP統計が予想よりも悪かったことから、FRBは量的緩和からの後退を全く行わず、このデータが発表される前に、軟調なユーロ圏のデータを理由に優勢となっていた「リスクオフ」ムードの逆転がこれによって助長されるかもしれないとの見方が浮上した上、ECBが、本日、成長を支持するようなことは何も提示しない可能性があるとの見方も浮上した。しかし、米国の株価が下落し、債券利回りが下落したため、その後まもなく慎重ムードが再び始まった。コモディティー価格が下落したため、コモディティー通貨は特に打撃を受けた。米国の非製造業ISMは、経済活動と新規受注の緩やかな回復から予想を上回ったが、雇用項目は低下しており、現在は、雇用がカギを握る。

本日の市場の焦点は、イングランド銀行とECBであろう。イングランド銀行に関しては、政策の変更はない(したがって声明もない)と予想される。昨日の5月のサービス業PMIは、予想を大幅に上回り、5ヵ月連続の上昇で1年ぶりの高水準に達した。もしカーニー氏が来月に就任することになっていなければ、人々は、英国における利上げに関して再考し始めていただろう。

ECBに関しては、レポレートも預金金利も変更されると予想する者は事実上誰もいない。理事会メンバーの間には様々な見解が見られ、マイナス金利には多くのメンバーが反対しているように見受けられる一方で、そのことを検討しようとしているのは、おそらく空論だと思われないよう画策しているのであろう。資産担保証券の買い入れに反対する声も、これに賛成する声より大きい。したがって、焦点は、議論がどのように進行しているのかを確認するため、会議後の記者会見に集中するだろう。先月、レポレートが25bp引き下げられると発表された後、EUR/USDは若干上昇したが、その後、記者会見の間に急激に下げた。今月、政策変更がなければ、EUR/USDは押し下げられる可能性があるが、ドラギ総裁は再び、「入ってくるすべての情報を非常に注意深く監視している」ため、一層の動きの可能性を示唆するだろう。

今日の遅い時間には、カナダ銀行の新総裁であるスティーブン・ポロツ氏が、下院金融委員会で証言する。これが、彼にとって、カナダ銀行総裁就任以来初めての公式な発言となるだろう。

マーケット

EUR/USD

• Markitサービス業PMI指数、小売売上高、ユーロ圏GDP修正値が予想よりも若干悪いことが明らかとなったため、欧州時間に入ってからEUR/USDは下落した。しかし、ADP雇用者数変動統計が予想よりも悪かったことを受けて、同ペアは反発し、2月~3月の下落の38.2%リトレースメント水準である1.3115でレジスタンスに達した。しかし、同ペアは、4分間でこれらの上げ幅の3分の2を失った。これは過去1年間のADP雇用統計の数値が、明日発表予定の非農業部門雇用統計の数字に比べ、下方バイアスが掛かっているためである。米国のISM非製造業PMIは予想よりも若干良かったが、改善しているものの予想よりも悪い数値を示した米国の製造業受注が注目されることで、同ペアは反発した。現在、1.3075が重要なサポート水準であり、1.3110-1.3115は最初のレジスタンス領域となろう。その後、レジスタンスはこれを上回る1.3160と1.3200に現れるだろう。1.3075を下回るサポートは、200日移動平均である1.3030と50日移動平均である1.3005に現れ、ECBの金利決定後のドラギ総裁の記者会見を考えれば、一日で大幅に変動する可能性があり、次のサポートは1.2980、1.2955、1.2920に現れるだろう。RSIは8週レジスタンス・トレンドラインを優に上回っているが、ストキャスティックは、記録的な高水準ではなく、通常のレジスタンス水準にある。

USD/JPY

• 米国が、USDにとってマイナスとなるデータを発表したため、USD/JPYは一日を通して下落した。ロワー・ボリンジャー・サポートとスパイク・トレンドライン・サポートは98.85に現れたが、レジスタンスは早くに99.40に現れた。この日のサポートは、98.85-99.00の領域に現れるとみられ、次のサポートは98.15に現れるだろう。99.35を上回るレジスタンスは、例によって100円の大台をわずかに下回る99.90前後に見られるだろう。

AUD/USD

• オーストラリアの貿易黒字が95%減少し、予想は大幅に裏切られ、中国の景気減速ということもあり、輸出が落ち込んだため、AUD/USDは、主な下落ペアとなった。サポートが0.9430に現れ、その後はこれを大幅に下回る0.9350に現れた。レジスタンスは十分に試された水準である0.9560と0.9610に現れるだろう。



• 軟調な米国の経済データの発表を受け、金は、1395ドルのサポートから反発したが、レジスタンスを試すことに再び失敗し、レジスタンスは事実上低下しつつある。1400ドルは本日の明らかなサポート水準であり、これを突破すれば、右肩上がりのトレンドラインからの小幅な下方突破を招く可能性がある。ストキャスティクスがほぼ買われ過ぎの水準にあるという点と、本日下落すれば、RSIとストキャスティクスのクロスオーバーが同時に弱気を示しているということと一致する点に留意すべきだろう。1400ドルを下回るサポートは、1385ドルに現れる可能性があり、次のサポートは1370ドルに現れるだろう。レジスタンスは1420ドルと1445ドルに現れるとみられるが、昨日の高値は1410ドルに過ぎなかった。

原油

• WTIは、経済にとって重要なコモディティーというよりも、USD建ての資産として再び機能し始め、軟調な米国のデータの発表を受けてUSDの価値が低下したため、WTIは上昇した。しかし、原油が、その後まもなくこれらの上げ幅を解消したが、その後、備蓄が9ヵ月ぶりに大きな減少を示したとの発表を受け、94.45ドルのレジスタンスまでスパイクした。サポートは、50日移動平均と十分に試されたフィボナッチ水準が見られる93.50ドルに見られ、次のサポートは200日移動平均である92.35ドルに現れるだろう。レジスタンスは再び94.05ドルと94.40ドルに現れる可能性が高く、次のレジスタンスは95.50に現れるだろう。

通貨レートベンチマーク - 今日の勝者と敗者

マーケット概要

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