USD/JPYは上昇基調を維持しながらも、124円台へ到達するとそのスピードは減速している。背景にあるのは、過度のドル高・円安に対するけん制への警戒だろう。5月下旬の麻生発言と6月上旬の黒田発言以降、125円は政治的な領域として認識されている。また、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が佳境を迎えているタイミングでの過度のドル高/円安は日米双方とも看過できない問題である(国内視点では、安倍政権の支持率が急低下しているタイミングでの円安は物価上昇と実質賃金の低下を招き、更なる支持率低下につながりかねない。一方、米国視点では、米国内の対日強硬派を勢いづかせることでTPP交渉が遅れる懸念がある)。よって、124.50以上での円安水準では、いつ日米サイドからけん制発言が飛んできてもおかしくないだろう。
【テクニカル分析コメント】-USD/JPY、攻防分岐は124.55レベル
レジスタンス
125.00:厚いオファー
124.80:レジスタンスポイント
124.57:リトレースメント76.40%
124.50:厚いオファー
サポート
124.00:サポートポイント
123.50:ビッド
123.21:21日MA(赤ライン)
123.00:ビッド
124円台を維持している状況を考えるならば、攻防分岐はリトレースメント76.40%となろう。このレベルを上方ブレイクすれば、次のターゲットである124.80レベルを視野に上値トライを想定したい。ただ、124.40-50レベルには厚いオファーが観測されており、テクニカル&オーダー状況の両面で考えるならば、124円ミドルレベルで一度上値がレジストされる可能性がある点には要注意。
一方、下値は目先、124円台の維持が焦点となろう。123円台の攻防へシフトしても21日MAを維持する限りドル高・円安トレンドは継続しよう。123.90、123.50前後そして123.00にはビッドが観測されている。
日足チャート