マクドナルド(McDonald’s) (NYSE:MCD)は、先月1月に2018年第4四半期決算を発表し、既存店売上高が前年同期比4.4%増とアナリスト予想の4%を上回った。ファストフード業界が苦しむ中、同決算の結果から同社の事業戦略が功を奏したことがわかる。
健康志向の高まりやジャンクフードの毛嫌いといった、消費者の消費嗜好の変化によって、ファストフード業界の現状は厳しいものとなっている。一方、テクノロジーの進化によってフードデリバリーサービスがより身近なものとなったことで、店舗の来客数も減少しているのだ。
飲食ビジネスは途上段階にある。投資家は株価の成長率や安定的な増配に飢えているため、マクドナルドのような世界大手のフードチェーン企業の株を買うとなると、非常に選り好みをする。その点、同社は競合と比較して企業成長の維持に向けて多くの施策を打っている。
同社は1年間で株価を10%上昇させるなど、株主に対して素晴らしい還元を行っている。2月20日は一時2.3%まで値を上げ、終値は179.97ドルとなった。今後12ヶ月間のアナリストコンセンサスでは、10%のアップサイドが見込まれている。
マクドナルドの戦略が功を奏す
マクドナルドは2015年以降、1四半期を除く全ての決算で予想を上回ってきた。第4四半期の米国での既存店売上高は、前年同期比2.3%増であった。グローバルでの伸びはさらに強く、イギリス、ヨーロッパ、オーストラリアなどを含むグローバルでの既存店売上高は、5.2%増であった。
また、特に他社のグローバルファストフード業社と比較すると、同社の好調ぶりが際立つ。例えば大手コーヒーチェーンのスターバックス(Starbucks) (NASDAQ:SBUX)は店舗への集客に苦戦しており、小規模事業者の参入が激しい中国市場への投資を加速させている。
マクドナルドに関して投資家が懸念していることは、ビッグマックの好調ぶりが強い逆風にさらされる中で維持できるのかということである。中国や欧州圏の経済成長は減速している中で、人件費の高騰や米国市場での競争の激化が、同社の成長の妨げとなる可能性がある。
だが、我々は経済の不確実性が存在する中では同社への投資が最適な安全策であると考える。
同社スティーブ・イースターCEOの戦略の一部では、朝マックや健康食メニューなどの提供、そして高品質の食材の使用や全店舗の改良を行ったことで、同社はマーケットシェアを取り戻している。
店舗の改良によって集客力が増したことが、特に同社へ貢献した。60億ドルを投じて米国の1万4000店舗を全面的に改修したことで、来店客に真新しさやモダンなイメージを与えた。
こういった企業努力によって、同社の競争力が高まるとともに、株価も上昇したのだ。過去5年間で、S&P500指数が50%のリターンをあげたのに対して、同社株は配当を含めて86%のリターンをあげている。
インカムゲインを狙う長期保有投資家にとって、マクドナルド株は最適な投資先である。昨年9月に同社は15%の増配を行い、1株当たりの配当は1.16ドルとなった。配当性向も39.4%と良好だ。同社は42年間増配を行っているのである。
要点
マクドナルドは配当政策に積極的であるため、同社株の成長は今後も継続すると考えている。現在の株価によると、年間配当利回りは2.64%となっている。魅力的な配当株をポートフォリオに組み入れたいのであれば、同社株の保有を検討してみる絶好のタイミングだろう。