20日のコメントでは「ドル売りVSユーロ売り」が今週の焦点と指摘した。それは言い換えれば「冴えない米指標データVSギリシャリスク」でもあるわけだが、今週のEUR/USD、USD/JPYそしてドルインデックスがレンジ相場の状況に陥っていることを鑑みるに、上記の勝負は五分五分の様相となっている。
勝負が決着する(=レンジ相場から脱する)シグナルとして注目したいのが、短期レジスタンスラインでの攻防だろう。EUR/USDは1.1450レベルを起点とした短期レジスタンスラインでレジストされる状況が継続中。このラインを突破しない限り、常にユーロ安/ドル高への警戒感を持ち続けたい。
USD/JPYも日足の一目/雲の上限とクロスしている短期レジスタンスラインの突破に成功しない限り、118.000-120.00のレンジ相場から脱することはできないだろう。
本日のEU財務相会合の他、26日には統一地方選挙後半戦、来週の28/29日には日米首脳会談、そして重要な米経済イベント(FOMC/米GDP速報値発表)が予定されている。「ドル売りVSユーロ売り」の勝負の決定打となり得るこれら重要イベントを見極める必要があることを考えるならば、短期レジスタンスラインの攻防でトレンドが明確するのは来週後半以降か。
【テクニカル分析コメント】 -EUR/USD、攻防分岐の短期レジスタンスライン
レジスタンス
1.0900:オファー&オプションバリア
1.0888:4/8高値
1.0850:短期レジスタンスライン&リトレースメント61.80%
サポート
1.0787:一目/基準線(赤ライン)
1.0730:10日MA (緑ライン)
1.0700:ビッド
1.0650:サポートポイント
上述した通り、「ドル売りVSユーロ売り」の勝負は五分五分の展開に。勝負の行方をテクニカル面で見極める場合、目先最も重要なポイントとなるのが短期レジスタンスラインでの攻防だろう。
今日現在、このラインは1.0850前後で推移しているが、直近安値(1.0520)からの61.80%戻しも同水準に位置し、且つ17日以降強烈なレジスタンスポイントとして意識されている。
RSIが売り買い分水嶺の50.00前後で推移し、 且つDMIでも明確なユーロ高反転シグナルが点灯していない(ADXは下方トレンドを維持している)点を鑑みるに、1.0850レベルは引き続き重要レジスタンスポイントと想定したい。
想定通りレジストされた場合は、一目/基準線もしくは10日MAまで反落する可能性を意識し、ショート戦略で臨みたい。
ロング戦略で臨むなら、短期レジスタンスライン突破を確認してからだろう。重要テクニカルがクロスしているポイントの完全突破は、さらなるユーロ買いシグナルとなる。この場合、ファンダメンタルズ面では欧州株高に追随し独金利の反発基調が強まっていることが想定される。それはEUR/USDの最も大きな変動要因である米独金利差縮小観測を強めることから、1.10レベルまで反転するかが次の焦点として浮上しよう。
日足チャート
RSI&DMIチャート