日本銀行中川理事発言

野村アセットマネジメントCEO中川順子氏の日本銀行理事への指名は、同行の9人の政策決定メンバー間の現在ある意見のバランスを維持するためであると見なされています。中川氏の政策に関する傾向はほとんど知られていませんが、同氏は刺激策を追加すべきであると主張したことはないため、両極ではなく中央的な立ち位置を取ると想定されています。インフレは現在マイナスの領域で推移しており、同行は今後数年間にわたって刺激を維持するのに役立つ政策の微調整を開示することが期待されています。こういったコミュニケーションを金融市場に行うことがますます重要になっています。同氏の指名は金融緩和バイアスへの過大な傾きに対する市場の懸念を払拭すると考えられます。リフレ派として知られる人物を菅政権が理事に指名したため、日銀の9人の理事のうち4人はリフレ派で占められました。エコノミストと投資家は大変驚きました。これをさらに増員した場合はリフレ派が多数派を占めることになり、黒田東彦総裁の対応の余地を狭めてしまう可能性もありました。