短期取引戦略は、多くのトレーダーやトレーダー志願者たちが用いるマーケット戦略である。
収益が大きい一方、しっかりした作戦と絶え間ない注意と警戒を要する戦略である。過去30年間、最も知名度と人気の高いテクニカル・アナリストである著者のラリー・ウイリアムズによる10年ぶりの画期的なこの新書は、収益性が高く、同時に危険なこの短期取引戦略の長所・短所を明らかにし、安定的な収益を確立するための基本を提供するものである。経験豊かな成功したトレーダーであるウイリアムズは、この本で、カオス、投機から、ブレイク・アウト、収益パターンに至るまで、マーケットに関するその深い洞察を読者に提供している。マーケットを動かすファンダメンタルズとは、3つの主要なサイクルとは、いつトレードを仕切るのか、勝ちトレードを抱えるコツは、……ウイリアムズが答えを出してくれている。
本書は、戦略の他に、マネー・マネジメントの章が極めて興味深い。世界で広く言われ、多くの投資家も実行している「損小利大」(損切りは早く、利の乗った玉は最大限まで伸ばす)という極めて個人の「感覚」に任されている重要な事項を、ラリー・ウィリアムズはこの本で具体的な計算式で説明している。また、自分でシステムを組んで売買している人には、そのシステムに組み込めるかどうかは別にして、非常に参考になるアイデアが満載されている。
ここでは、マネー・マネジメントや様々なアイディアについては深く入りこまないのでこの本を読んでいただくとして、戦略を中心にこの新刊のエッセンスを抽出してみよう。
著者紹介
ラリー・ウィリアムズ(Larry Williams)
著名なトレーダーであり、著者であり、ニュースレターの発行人であり、ファンド・マネジャーである。先物のロビンズ・ワールドカップ・チャンピオンで、1万ドルを12カ月で110万ドルにしたウィリアムズの記録は、いまだに破られていない。NFA(全米先物協会)の理事を務め、モンタナ州から上院議員選挙に2度出馬している。また、ウィリアムズは『バロンズ』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『フォーブス』『フォーチュン』などに寄稿している。過去20年間、ウィリアムズは最も引用され、影響力の強いアドバイザーである。邦訳著書として、『ラリー・ウィリアムズの相場で儲ける法』(日本経済新聞社)がある。
インターネット・トレーダーvol.1にて著者ラリー・ウィリアムズ インタービュー掲載。
ラリー・ウィリアムズ, 清水昭男, 長尾慎太郎, 柳谷雅之
パンローリング A4判 上製本 200頁 1999年9月発売
10,290円 (税込)