ユーロや英ポンド安をうけ、ドルが9週ぶりの高値を付けたことで、水曜日の金価格は3カ月ぶりの高値から下落した。
ニューヨーク商品取引所のComex部門の12月限金先物は午後11時39分時点で0.05%高の1トロイオンスあたり1,234.00ドルとなった。火曜日には地政学的緊張の中で1,237.80ドルに達していた。
一方、 ドルインデックスは、0.40%高の96.10となっている。金などのドル建て資産は、米ドルの動きに敏感だ。ドルの上昇は外貨の保有者にとって金をより高価にし、貴金属の需要を減少させる。ドルインデックスは、ユーロやポンドなどのライバル通貨の弱さの恩恵を受けての上昇となっている。
10月のユーロ圏サービス業購買部協会景気指数が直近2年の最低の結果となったことで、ユーロは下落した。
ポンドに関しては、ブレグジットの会談が停滞し続けたことからポンドは下押し圧力を受けていた。英国の議会は、欧州連合との合意に関してどんな内容でも許されるわけではないとし、メイ英国首相は自身のブレグジット戦術に対して激しい政治的批判に直面した。
金価格は、関税や貿易戦争が世界経済に与える影響についての継続的な懸念から高値圏で推移した。
さらに10月2日にサウジアラビアの領事館に入った後に姿を消したジャーナリストのカショギ氏の死亡により地政学的懸念が高まり、安全資産への逃避の動きが金価格を支えた。
また、EUが政府の歳出計画を初めて拒否したことで象徴されるように、イタリアの問題のある予算が懸念を高めている。
金曜日に発表される GDPが第2四半期から第3四半期にかけて成長の鈍化を示すと予想されており、こちらも注目が集まる。
他の金属では、銀先物は0.64%高の1トロイオンスあたり14.750ドルとなった。パラジウム先物は1.16%安、プラチナは0.08%安、銅は0.51%高となっている。