7日の原油価格は回復を見せている。ドナルド・トランプ米大統領は中国製品に対する関税の引き上げを表明し、5日の原油価格は約3%安となっていた。
日本時間午後4時36分時点におけるWTI原油先物は0.02%高の62.26ドル、ブレント原油先物は0.28%安の71.04ドルとなっている。
中東情勢の緊迫化は原油価格にとって好材料となっており、3日の対中関税引き上げの報道をかき消している。
Axios.comはBarak Ravid記者の発言を引用し、イスラエルはペルシャ湾におけるイランの軍事計画の情報を米国へ提供したと報じた。その後6日の原油価格は回復している。
「これはジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が昨夜イランに対して『容赦のない軍事行動』と述べる前のことであった」とRavid氏は述べた。
トランプ米大統領は5日、2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10%から25%へ引き上げることをツイッター上で表明した。このことは、米中通商協議の進展を踏まえて関税を10%で据え置くとの2月の決定を覆した形である。
同氏の声明は米中貿易戦争の懸念を再燃させ、両国が本当に合意できるかどうかの疑問を深める結果となった。
11月に両国が関税中止で合意して以来、複数回の通商協議が行われ、今年春までの合意の可能性が述べられてきた。
「トランプ大統領が突然対中関税の引き上げを表明したことは、リスク管理に躍起になっている投資家を悩ませている」とロンドン・キャピタル・グループのJasper Lawler氏は述べた。
「トランプ大統領によって陰りが生じている通商協議の今後数か月の見通しは、原油需要への懸念を提起した」と同氏は付け足した。
中国の劉鶴副総理は今週末、ワシントンを訪問し通商協議を再開する見通しである。