トレーダーは米国によるイランへの制裁強化や米中貿易の報道を織り込んで、8日の原油価格は反発している。
日本時間午後5時54分時点におけるWTI原油先物は0.01%高の61.40ドル、ブレント原油先物は0.26%安の69.70ドルとなっている。
トレーダーは今週、イラン情勢に注目している。米国はイラン産原油輸出に対する制裁を強化しており、6日には中東地域への軍隊の増派を表明した。
イランは「相互的な行動」として、核開発プログラムの一部を再開する方針である。
2018年11月に米国がイランへの制裁を再開した際、全ての国に対してイラン産原油の輸入停止を要請した。
この制裁によってイラン産原油の輸出は既に日量100万バレル以下まで減少しており、今後制裁が強化されるにつれて5月には日量50万バレルまで落ち込む可能性があるとアナリストは述べている。
ドナルド・トランプ米大統領が2000億ドル相当の中国製品に対する関税引き上げを表明したことで、週初めの原油価格は下押し圧力を受けていた。
中国商務省のウェブサイト上での声明文によると、中国の劉鶴副首相は9日と10日に行われる通商協議に向けて、ワシントンへ向かっている。同氏は米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表とスティーブン・ムニューシン財務長官との協議に臨む。
米国による関税引き上げの声明によって両国間の合意達成は遠のいたので、今週の協議で合意に至る可能性は低いとアナリストは述べた。