20日のアジア市場では、加盟国と非加盟産油国を合わせた「OPECプラス」が減産を今年中維持する意向を示唆し、原油価格が上昇した。
米国の原油先物 WTI 取引は1.3%高の63.74ドルで、ブレント原油先物は1.4%高の73.20で取引されている(午後4時8分現在)。
19日、サウジのハーリド・アル=ファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、OPEC加盟国間で原油在庫量を緩やかに減らしていく合意があったと述べる一方で、「脆弱な市場」の需要には応える姿勢を示している。
原油価格は年初来約40%の上昇を見せており、OPECプラスによる6月まで原油供給量を日量120万バレル削減する協調減産が背景となっている。
アル=ファリハ氏はOPECプラス会合の終了後、「我々の下半期の意向として、原油在庫量の抑制を維持し徐々に減らしていくものの、いずれは通常状態に戻していくつもりだ」と発言した。
一方で、アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイエネルギー相は、減産の緩和は「正しい決断」ではないと述べている。
6月25日には、OPEC総会で減産に関する公式決定が予定されている。
またトランプ米大統領は、ツイッター上で「イランが争う姿勢を見せれば、イランは本当に終わりだ」と発信しており、原油価格上昇の更なるカタリストとなった。
米中間貿易戦争の展開にも目が離せない。先週、中国国営メディアが対米協議再開に関心がない旨を発信すると、原油価格は若干の下落を見せていた。
また米国は中国通信機器大手ファーウェイに対する制裁措置を行い、貿易摩擦は激化の一途をたどっている。