米石油協会(API)が発表した米原油在庫は予想を上回り増加し、原油価格をさらに押し下げている。加えて、ロシア国営石油会社ロスネフチの社長はOPECとの協調減産の意義に疑問を投げかけている。
5日午後5時24分時点で米WTI原油先物は0.99%安の52.95ドル。
4日の終値は0.4%高となったが、昨年4月に付けた高値からはまだ20%ほど安い。
英ブレント原油先物は0.68%安の61.55ドル。
過去4日間で13%下落した後、4日の終値は1.1%高となった。
トランプ米大統領がメキシコ製品に追加関税を課す計画を発表したことや、続く米中貿易戦争で世界的な不況が懸念され、原油需要縮小に伴って下げ相場に入る可能性が考えられる。
米石油協会(API)は4日、先週の原油在庫は市場予想を上回って増加したと発表した。またガソリン在庫も増加した。
APIによると、84万9000バレル減とされていた予想に反し、原油在庫は350万バレル増加し4億7800万バレルとなった。
米エネルギー情報局(EIA)は5日午後11時30分に原油在庫を発表する。
バンコク・SPIアセットマネジメントのStephen Innes氏は「これは極めて弱気相場にさせる結果だ。EIAによってこの数字が裏打ちされれば、原油価格はさらに打撃を受けるだろう」と述べた。ロイターが報じた。
サウジは今週初め、原油価格を支えるべくさらなる減産を示唆した。しかしこれに対しロシアは異議を唱えている。
ロスネフチのセチン社長は4日、OPECプラスの協調減産について、ロシアは生産量を自由に決めるべきで、減産合意が延長されれば政府に補償を求めるとの考えを示した。
OPECは年初来、原油市場を下支えすべく協調減産を行ってきた。今月下旬の総会で減産継続について決定がなされる見通し。